経済産業省内の研究会「総合資源エネルギー調査会 資源・燃料分科会 石油・天然ガス小員会」は、3月30日に会合を開き、2022年から2026年度のLPガス需要見通しを了承しました。
この見通しでは、2021年から2026年度のLPガス需要は、年平均で0.8%増加するという予測されています。
2021年度はコロナ渦の影響があり工業用需要が大きく落ち込み、全体の需要としても前年度比で1.4%減と見込んでいます。
その後2022年度以降は、工業用の需要も回復し、全体の需要としては増加するという見通しを立てています。
各部門別の需要予測を見ると、全体の需要の半数近くを占める家庭業務用は、年平均で1.0%減少する見通し。
これは、LPガスを利用する世帯数が減少する見通しである他、給湯器などの高効率化により各世帯のガス使用量が減少すると予測されています。
LPガスの利用世帯は、国内の人口減少や他エネルギー(都市ガスやオール電化など)の普及などにより減少する傾向にあります。
一方でコロナ渦が収束に向かうことで、外食産業向けの需要は増加する見込み。
同じく自動車用のLPガス需要も年平均で0.9%減の見込みとなっています。
タクシーで多く利用されているLPガスですが、燃費効率に優れるLPガスハイブリッド車やバイフューエル車の普及により高効率化が進む見通し。
※バイフューエル車とは、LPガスなどとガソリンなど2種類の燃料を切り替えて使用できる車を指す。
一方で都市ガス用のLPガス需要が4.6%増の見込みで、全体の需要増をけん引しています。
現在、ロシア・ウクライナ問題の渦中にあるガス業界ですが、今後はアメリカ産のシェールガス由来の天然ガスが主流となり輸入量が増加する見込み。
一般家庭で使用されている都市ガスは、そのままでは熱量が低く利用に適さないため、LPガスを利用して増熱されています。
2026年度までのLPガス需要見通し(単位=1000トン) | ||||||||
2021年度実績見込み | 2022年度 | 2023年度 | 2024年度 | 2025年度 | 2026年度 | 年平均増減率 | 構成比(2026年度) | |
家庭業務用 | 5977 | 6024 | 5985 | 5895 | 5803 | 5694 | ▲1.0 | 43.3% |
工業用 | 2623 | 2749 | 2763 | 2780 | 2794 | 2810 | 1.4 | 21.4% |
都市ガス用 | 1217 | 1244 | 1310 | 1389 | 1461 | 1521 | 4.6 | 11.6% |
自動車用 | 523 | 518 | 513 | 508 | 503 | 499 | ▲0.9 | 3.8% |
化学原料用 | 2268 | 2736 | 2763 | 2712 | 2684 | 2621 | 2.9 | 19.9 |
需要合計 | 12608 | 13271 | 13334 | 13284 | 13245 | 13145 | 0.8 | 100.0% |