日本LPガス協会新体制日本LPガス協会は21日に2017年度の定時総会を開催しました。総会後には理事会をひらき、新会長・副会長が決定されています。
第33代会長にはENEOSグローブ社長の岩井氏、副会長にアストモスエネルギー社長の増田氏、ジクシス社長の土井氏が就任することが決まり、新しいスタートをすることになりました。

日本LPガス協会は2030年に向けた中長期展望で、①LPガスの高度利用と需要拡大、②技術開発、③供給安定性の確保、④環境自主行動の充実、⑤保安体制と災害対応への取り組み強化⑥次世代に向けた事業領域の拡大―と6項目の基本方針をさだめています。
近年、LPガス需要家は漸減し続け、都市ガスの勢いにおされていると言えるでしょう。この状況を打開するために業界は変わらなければなりません。
6つの基本方針はもちろん重要事項ですが、岩井会長が理事会後の記者会見で述べているように、料金透明化・適正取引化という消費者が最も望む部分も改善されることを期待したいと思います。

そもそも日本LPガス協会とは、ガス関連の大手企業11社が会員の団体であり、すべてのLPガス企業が加入しているというものではありません。
また名前が似ていますが、「全国LPガス協会」とは違う団体です。

LPガス業界はこのような団体などが多くあり、横のつながりが強い業界だと言えるでしょう。これは、原料であるプロパンやブタンなどのほとんどを輸入に頼っているということが、大きな要因となっています。
例えば電力や水道、インターネットなどと異なり、大規模な輸入基地を持っていなければLPガスを手に入れられない状況にあるため、ほとんどの事業者は卸供給を受ける必要があります。またボンベ配送という作業があるということも特殊で、業界内ではボンベの配送のみを他の事業者に委託する場合もあるなど、業務が複雑になってしまっています。
卸市場も他の業界と比べて整備されているとは言えない状況であるため、卸供給される事業者としては、企業間の関係値を深める必要がでてきます。

このように企業間のつながりが深いことから、業界では「NG会社」という顧客の乗り換えを受け付けないケースが発生してしまいます。個人的な意見ですが、このNG会社の風習も適正取引化の一環として廃止すべきではないかと考えています。