プロパンガスを取り扱っている販売事業者の数が連続で減少しています。
経済産業省の「商務流通保安グループガス安全室」が発表したデータによると、2017年3月末時点での販売事業者数は前年同月比で490者減の19024者となりました。販売資格と保安資格が別れているのですが、保安機関の数も467者減の19440者と、いずれも前年と比べて減少しています。
プロパンガスの販売会社が1万9千社(個人事業主なども含む)あるということで、それでも数は多いのですが、1年間で490の事業者が無くなったのは大きなことであると言えるでしょう。
販売事業者は提供エリアの広さによって、国が管轄する際の所管が別れていて、事業者を大中小と3つに分けることができます。大規模事業者は1者増で52者、中規模事業者は6者減で172者という結果で、大きな変動はありませんでした。一方で小規模事業者を管轄している都道府県所管では485者減となっていて、減少しているのはほとんどが小規模事業者であることがわかります。
減少している理由はいろいろと考えられますが、最も大きな理由は「需要家の減少」でしょう。プロパンガスを必要としているお宅は年々減っています。一方で都市ガスの需要家は増加しているため、現状では都市ガスに顧客を奪われているという構図となっています。
都市ガスとプロパンガスの違いについてここでは触れませんが、プロパンガス業界が大きく変わらない限り、この「都市ガスに顧客を奪われる」流れを変えることは難しいでしょう。
また、単純に日本の人口が減少傾向にあって、更にプロパンガスが主に必要とされる郊外や地方で減少傾向が顕著であることも要因であると考えられます。
地方では特に、プロパンガスの販売を小さな商店のような個人企業が行っているケースがあります。人口減少に付随しますが、このような零細企業では「後継者がいない」という理由で、廃業や統合をする事例がプロパンガス業界に限らず見受けられていて、このことも事業者減の要因となっているでしょう。
ただし、そもそもプロパンガスの事業者数は、多すぎるとも考えられるくらいの数ですので、捉え方によっては適正に動いていると言えるのかもしれません。