プロパンガスと都市ガスでは、どのくらい料金が違うのでしょうか?
この記事では、関東地方のプロパンガスと都市ガスの料金を比較した結果を掲載しています。
引越しや切り替えなどでプロパンガスと都市ガスの料金を比べたい方は、ぜひご参照ください。
ここで掲載している内容は、プロパンガスと都市ガスの料金比較に記載した情報を前提としています。ご覧になっていない方は、あわせてご確認ください。
この記事は次のような人におすすめ!
- プロパンガスから都市ガスへの変更を検討している方
- これから関東地方へ引越しで物件選びをしている方
- プロパンガス料金が高いと感じている方
目次
関東地方のプロパンガスと都市ガスの料金差額
ガス会社名 | 都市ガス11㎥・プロパン5㎥の請求額 | 都市ガス22㎥・プロパン10㎥の請求額 | 都市ガス44㎥・プロパン20㎥の請求額 | |
---|---|---|---|---|
都市ガス料金 | 東京ガス | 2527 | 4266 | 7476 |
京葉ガス | 2656 | 4461 | 7751 | |
静岡ガス | 3508 | 5761 | 10219 | |
北陸ガス | 2669 | 4538 | 7962 | |
プロパンガス 標準料金 | イワタニ首都圏 | 7425 | 12540 | 22770 |
ニチガス | 4675 | 7700 | 13200 | |
TOKAI | 8030 | 13365 | 24035 | |
サイサン | 5885 | 9449 | 16654 | |
レモンガス | 5005 | 8030 | 13860 | |
プロパンガス関東地方平均料金 | 5239 | 8621 | 15158 | |
新潟県プロパンガス最安値料金 | 3850 | 5940 | 10120 | |
埼玉県プロパンガス最安値料金 | 3190 | 4730 | 7810 |
- 東京ガス:「東京地区等」一般契約料金より
- 京葉ガス・静岡ガス:一般料金より
- 北陸ガス:「新潟地区」一般契約より
- イワタニ首都圏・レモンガス:戸建住宅標準料金より
- ニチガス・TOKAI:標準料金より
- サイサン:「関東エリア」標準料金より
※原料費調整額を採用・公表している会社は、調整後の料金で計算しています。
プロパンガスの標準料金と比べると、都市ガスの方が圧倒的に安くなっています。ただプロパンガスの「標準料金」は、必ずしもその金額が適用される訳ではありませんので注意が必要です。
参照:標準料金の解説
使用量に関しての注意
プロパンガスと都市ガスでは、熱量が異なります。
プロパンガスは、都市ガスよりも熱量が約2.2倍多くなっています。簡単に言うと、プロパンガスの方が少ない使用量で済むのです。詳しくはプロパンガスと都市ガスの違いで解説しています。
- プロパンガス5㎥に対して都市ガス11㎥
- プロパンガス10㎥に対して都市ガス22㎥
- プロパンガス20㎥に対して都市ガス44㎥
広域関東圏と呼ばれる区分けがされていますが、具体的には以下の都県です。クリックしていただくと、各地域のプロパンガス料金表ページに遷移します。
都市ガス料金の方がプロパンガスよりも安いことが多い
- 多くのケースでは都市ガスの方がプロパンガスよりも料金が安い
- プロパンガスを安く使えれば、都市ガスと同等の料金で使用することができる
- 差額は会社によって違う
戸建住宅や分譲マンションなど「プロパンガス料金を安く利用できる環境」であれば、都市ガスと同じ水準またはそれ以下にすることも不可能ではありません。
ただプロパンガス最安値は、必ず適用できる金額ではないことに留意する必要があります。
都市ガスは、割引のない「一般料金」で計算しています。都市ガスの割引プランが適用される環境であれば、さらに差額が大きくなるでしょう。
両社の供給方法が料金に影響している
- 都市ガスは、地下の配管を通して供給するので都市部でのみ使用できる。
- プロパンガスは、ボンベを個別で配送して供給するので、どこででも使用できる。
一方でプロパンガスは、初期投資は少額にできますが、定期的にボンベを交換する必要があるため、人件費を含めた配送コストがかかってしまいます。
このような理由のほか、下記に記載するような両者の料金体制の違いも影響して、プロパンガス料金は、高くなる傾向にあるのです。
都市ガスの料金は公平
都市ガス料金の最大の特徴は、すべての顧客に対して平等であることです。
また公共料金という位置付けであるため、「すべての顧客に対して公平であること」が必須条件として求められているのです。
2017年に小売事業者が全面自由化されたことを受け、現在はほとんどの事業者が自由料金制へと移行していますが、「すべての方に対して同じ条件で料金が決定される」という方針は変わっていません。
都市ガスでも、お住まいの地域や使用するガス機器により料金プランが違うこともあるのですが、それは「皆さん同じ条件」です。
一戸建てであろうと集合住宅であろうと関係ありません。一人暮らしでも家族住まいでも同じ条件で基本料金と単価が決まります。
従って都市ガスの料金は、使用する地域やガス機器がわかれば引っ越し前でも簡単に計算することができるのです。
プロパンガス料金は個別で見積もり
プロパンガス料金は、以前から「自由料金制」です。
その名のもとにプロパンガス料金は、各お宅でバラバラに設定されることが一般的です。
つまり物件によって高くされることもあれば、安くできることもあるのです。
料金表では、各社の標準料金や平均価格、最安値を記載していますが、必ずしもこの料金が適用されるとは限りません。都市ガス料金とは違うことがおわかりいただけたでしょうか?
プロパンガスは、戸建住宅か集合住宅かなど、環境によって適用される料金が大きく異なります。
戸建てにお住まいの方であれば、当社でプロパンガス会社の切り替えや引越しの相談を承っています。特に関東地方は、全国的にプロパンガス料金が最も安い地域です。
戸建住宅にお住まいの方は、都市ガスと同水準の料金で利用できる可能性もあります。
プロパンガスの方が安いこともある
プロパンガス料金は自由に提案できるため、逆にとても安い料金が適用されることがあります。
多くのお宅では「都市ガスよりもプロパンガスの方が料金は高い」というのが事実ですが、必ずしもすべてのケースに当てはまるとは限りません。
一方で地域の小規模都市ガス事業者では、かなり高い料金設定であることも少なくありません。
千葉県を例に挙げると、自治体が運営している公営ガスは「とんでもなく安い」のですが、逆に標準でプロパンガスよりも高いような都市ガス企業もあります。
参照:千葉県の都市ガスとプロパンガスどちらが安いのか?
プロパンガスと都市ガスは違うサービス
そもそもプロパンガスと都市ガスは、異なるサービスです。
成分が異なる上に使用するガス機器も違います。
実際のところは、使ってみなければわからないのです。
これから引越しされる方で都市ガスとプロパンガス物件を比較している場合は、使用するガス機器などによって使用量が変わることにも注意するべきでしょう。
例えば新しい給湯器では、高効率でエネルギーを生み出すことができるため、ガスの使用量を抑えることができます。
従って「プロパンガスだから高い」「都市ガスだから安い」というだけでなく、使用する場所の環境によってガス料金は増減するということも覚えておいてください。
関東地方のプロパンガスと都市ガス
東京都心や横浜市中心部などでは、プロパンガスの物件はほとんど無く、都市ガスかオール電化が普及しています。
一方で中心部を離れるに連れて、プロパンガスの利用率も上がっています。埼玉県、神奈川県、千葉県など都市ガスの導管が整備されている地域であっても、プロパンガス供給の物件が多数あります。
また関東地方においても、都市ガスが全く供給されていない自治体も少なくありません。
この記事をご覧になっているのは、都市ガスとプロパンガスが混在している地域にお住まい、またはお引越し予定の方が多いかと思います。
これは、人口が多く競争が激しいことをはじめとして、東京湾に近く物流の面で有利な状況にあること、さらに降雪が少なく物流コストが安く抑えられることなど、様々な事情が影響しています。
都市ガス料金に影響されて相場自体が安いこと、さらに降雪が少ないことが物流コストに大きく影響していると考えられるでしょう。
ただし、繰り返しますがプロパンガスは、個別の見積もりになるサービスです。いくらで適用されるのかは、各お宅によって決まります。
特にプロパンガス供給の集合住宅は、ガス会社を選ぶことができません。入居者自身の意思により安いガス会社へ変えるという選択ができないため、引越しの方は十分に注意しましょう。
尚、地域の都市ガス一般ガス導管事業者がどこなのか知りたい方は、日本ガス協会のホームページをご確認ください。
関東地方のプロパンガスと都市ガス料金(まとめ)
ここまで関東地方のプロパンガスと都市ガスの料金比較について解説しました。
結論としては、「多くの場合では、料金は都市ガスの方が安い」ということができます。
- 都市ガスの料金は確定している
- プロパンガスの料金は確定していない
都市ガス料金は、すべての顧客に対して同じです。対してプロパンガスの料金は、個々の顧客によって料金が変わります。(プロパンガスでも一部の事業者や物件によっては、料金が統一、確定していることもあります。)
従って都市ガスの方が安い傾向にあるとはいえ、差額に関してはその物件によって変わることになるのです。
一方で戸建住宅の場合には、プロパンガス業界の競争が激しいため、そこまで差額は大きくない傾向にあります。
一戸建てにお住まいで、プロパンガスから都市ガスへの切り替えを検討している方は、一度プロパンガス会社の変更を考えてみてはいかがでしょうか。
現在、日本国内では、総合的に一般家庭でのプロパンガスの利用者数は減少しており、都市ガスは増加しています。
都市ガスは料金が平等で安心できる。一方でプロパンガスは、いくらで設定されるかわからない。こう考えると人気に差がでるのは当然と言えるかもしれません。
以上、プロパンガスと都市ガスの料金比較をしたい方の参考になれば幸いです。
関東地方の都市ガス・プロパンガス料金Q&A
関東地方で都市ガスとプロパンガス料金は、どちらの方が安いですか?
一般的には、都市ガスよりもプロパンガス料金の方が高いことが多いでしょう。ただ契約を結ぶガス会社など環境によって料金設定が異なるので、一概に言うことはできません。特に関東地方は、プロパンガス料金の相場が全国で最も安い地域なので、都市ガスと同水準で利用できることも多いでしょう。
都市ガス料金の特徴は何ですか?
料金設定が全顧客に対して統一されていることが最大の特徴です。戸建・集合住宅に関わらず、同条件で料金プランが決まるので、不公平感がありません。東京ガスの料金は、標準的な金額です。ガス会社によっては、東京ガスよりも安いこともあれば、高いこともあります。
関東のプロパンガス料金の特徴は何ですか?
多くの企業では、料金設定が顧客ごとに違うことです。お住まいになる物件によって、都市ガス料金と同水準のこともあれば、差額が大きいこともあります。関東のプロパンガス平均価格は全国で最も安いですが、全ての建物で安いとは限りません。
都市ガスとプロパンガス、どちらを選べばいいですか?
都市ガスとプロパンガスを選べる環境にあるとして、一般的に都市ガスの方が安価でしょう。ただ災害時の復旧速度や熱量の高さでは、プロパンガスに利点があります。個々の環境や考え方に応じて選択することが大切です。
プロパンガスの料金を安くする方法はありますか?
ガス会社を切り替えることで料金を抑えられる可能性があります。また料金交渉を行うことも有効な手段です。当社では、プロパンガスの切り替え相談や戸建住宅に引越す方の開栓予約を承っています。⇒問い合わせ
この記事は、私が作成しました。
静岡県出身。エネルギー業界に10年以上携わり、特にプロパンガスや都市ガス、電力を専門にしています。またウェブサイトや記事も自身で作成します。ご意見や感想、指摘などありましたら、気軽にお寄せください。⇒著者情報