ガス漏れが発生した際、使用しているのがプロパンガスか都市ガスかによって対応方法が異なります。
万が一に備えて、ガス漏れした際の対応方法を事前にご確認ください。
尚、プロパンガスの正式名称は液化石油ガス(LPガス)ですが、このページではプロパンガスの呼称で統一しています。
プロパンガスのガス漏れ対応方法
プロパンガスは、「空気より重い成分」です。
従ってプロパンガスは、屋内の低いところに集まります。
プロパンガスが漏れた場合、絶対に屈んではいけません。
従ってプロパンガスの警報器は、床の近くなど低い場所に取り付けます。
都市ガスのガス漏れ対応方法
都市ガスは、「空気より軽い成分」です。
プロパンガスとは逆に、室内の高い所に集まることになります。
都市ガスが漏れてしまった場合、絶対に立ったまま移動してはいけません。
都市ガスの警報器は、高い場所に取り付けるのが有効です。
プロパンガスと都市ガス共通事項
ガス漏れの際、プロパンガスと都市ガスでは、真逆の移動方法をしなければなりません。
ご存知なかった方は、ご家族等にも共有していただくのが良いでしょう。
筆者が子供の頃、「ガスが漏れたらしゃがめ」と教えられた記憶があります。これは都市ガスご利用のお宅のみに当てはまります。
- ガスの元栓を閉める
- 窓を開けて換気する
- 契約中のガス会社に通報、または119番通報する
- 屋外に避難する
都市ガスは空気より軽いため、窓を開けることにより自然と屋外に放出されます。
一方でプロパンガスは空気より重いため、窓を開けただけでは放出されない可能性があります。窓の形状にもよりますが、低い場所に溜まったプロパンガスをほうきなどで屋外へ掃き出す作業が有効的です。
もしも対処方法がわからない時には、速やかに屋外に避難した上で、契約中のガス会社か119番に電話しましょう。
尚、地域によってはコミュニティーガス(旧簡易ガス)が供給されている物件もあります。コミュニティーガスの中身は一般的にプロパンガスですので同じ対処方法です。
成分が違うので重さが異なる
一方の都市ガスは、メタンを主成分としています。都市ガスは、空気のおよそ半分の質量しかありません。
空気に対する重さが異なるので、対応方法に違いが生じるのです。
ガスの臭いはわざとつけている
ガスは、本来であれば無色透明であり無臭です。
プロパンガスと都市ガス共通して「色も匂いもない」のです。
身体に異変が生じてからようやく「なにかおかしい」となる訳ですが、その原因がガスであるとすぐにわからないかもしれませんし、すでに手遅れになっている可能性もあるでしょう。
日本国内のガスサービスは、ガス漏れが発生した際にすぐに気づくことができるよう、わざと強烈な匂いを付けているのです。これは法律で義務付けられていることです。
ガス機器の取り扱いに注意
ガス漏れが生命の危険を脅かすのは、主に換気されていない室内です。
もしも屋外にある機器からガスが漏れていたとしても、吸引により人体に危険を及ぼす可能性は低いでしょう。
しかし近年では、技術の発達によりガスによる事故件数は激減しています。特に「機器に起因する事故件数」に関しては、ほとんど発生していないのです。
参照:プロパンガスは危ないのか?
現在でも発生しているガス事故の原因は、その多くが「消費者側の過失」によるものです。
近年起こっているガス事故のほとんどは「使用者側のミス」が原因なのです。
使い方を間違えなければ、ガス事故が起こることはまずありません。
またガス警報器の設置は、一般家庭においては義務ではありませんが、できれば取り付けることをお勧めいたします。
通常は供給契約を結んでいるガス会社が点検時に案内があるはずです。
万が一「安全装置が装備されていない機器をご利用で、警報器が設置されていない」お宅は、契約中のガス会社へ問い合わせましょう。
ガス漏れについてのQ&A
ガス漏れが発生した場合、まず何をすれば良いですか?
まずはガスの元栓を閉め、すぐに換気を行い、屋外に避難してください。その後、契約中のガス会社か119番に連絡しましょう。
都市ガス漏れとプロパンガス漏れの対応方法はどう違いますか?
都市ガスは空気より軽いので、都市ガス漏れ時は低い場所に移動。プロパンガスは空気より重いため、プロパンガス漏れ時は高い場所に移動しましょう。
ガス警報器はどこに設置すべきですか?
都市ガスの警報器は高い場所、プロパンガスの警報器は床に近い低い場所に設置することが推奨されます。
ガスは、なぜ強い臭いがするのですか?
ガス自体は、本来無臭です。ガス漏れをすぐに感知できるよう、強い臭いを付加することが法律で義務付けられています。
窓を開けてもガスが逃げない場合、どうすれば良いですか?
特にプロパンガスは空気より重いため、窓を開けてもガスが外に出ないことがあります。その場合、ほうきなどを使ってガスを外に掃き出すことが有効です。
ガス漏れ時に使用してはいけない電気機器はありますか?
ガス漏れ時には、火花を発生させると爆発の恐れがあるので、全般的に電気機器の使用を避けてください。スイッチのオンオフも控えましょう。
ガスの漏れを防ぐために日常的にできることは何ですか?
ガス機器の取扱説明書に沿って、正しい使用方法を守ることが重要です。またガス会社による定期的なガス設備の点検は必ず受けましょう。
この記事は、私が作成しました。
静岡県出身。エネルギー業界に10年以上携わり、特にプロパンガスや都市ガス、電力を専門にしています。またウェブサイトや記事も自身で作成します。ご意見や感想、指摘などありましたら、気軽にお寄せください。⇒著者情報