集合住宅のプロパンガス会社変更の流れ
集合住宅のプロパンガス会社変更手順

集合住宅のプロパンガス会社を変更する際には、全部屋を一度に変更するため戸建住宅とは異なる流れになります。

ここでは、集合住宅におけるプロパンガス会社変更の一般的な手順を紹介しています。ガス会社の変更を検討されているオーナー様や管理組合の方などはご参照ください。

この記事には、ガス会社を変える際の流れについてのみ記載しています。それぞれの集合住宅のプロパンガスについて詳しくは、各ページで解説しています。

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①決裁者と契約を締結

オーナーと契約書を締結
まず決裁者と契約を交わす

最初にオーナーや管理組合(理事長・自治会長)などの決裁権者と変更先LPガス事業者が供給契約書を交わします。

この際、供給契約書と同時に変更手続きに関する委任状に記載していただくことが一般的です。通常は、契約書と委任状を兼ねた申込書が用意されています。

委任状を取得することにより、その後の解約通知など関連する手続きを切り替え先事業者が代行できるようになるのです。

7日以上先で工事日を決める
契約を結ぶ際「申込日より7日以上先の日付」で工事日(切り替え作業日)を設定します。液石法で1週間以上の日にちを空けることが義務付けられています。
参照:一週間ルールの解説
切り替え日は週末が多い
切替工事をした後、供給開始時の点検をすることが事業者に義務付けられています。点検内容には、宅内のガス機器も含まれますので居住者の立ち合いが必要になります。
そのため特に大型の集合住宅では、在宅率が高い週末に工事日が設定されることが通常です。
工事の日程は、ガス会社と決裁者の話し合いで決められます。
参照:供給開始時点検の解説

②旧事業者への解約通知

旧事業者へ解約通知
切り替え先事業者が決裁者に代わり通知する

決裁者からの契約書を取得した後に、現在供給中のガス会社へ解約の通知を行います。該当する物件の供給事業者を変更する旨や切り替える日程を知らせるのです。

解約通知はガス会社が代行
上述した通り解約通知に関しては、委任状を取得した上で切り替え先のガス会社が顧客に代わって行うのが一般的です。顧客が「御社と解約したい」と連絡する必要はありません。
旧事業者の承諾を得る必要はない
プロパンガス会社を変更する際、通常の流れでは「顧客と旧事業者」は接点を持ちません。
誤解されている方もいらっしゃいますが、「顧客が旧事業者を説得しなければならない」「旧事業者の承諾を得なければ切り替えができない」などということはありません。
ガス会社を変更するのは消費者の権利ですので、特に理由などを伝えなくても一方的な通知のみで切り替えが可能です。

③各戸へお知らせと契約書締結

各戸へガス会社変更のお知らせ
全入居者と契約書を交わす

工事日までに各部屋の入居者に対して、ガス会社が変わる旨を通知します。切り替えがスムーズに進むよう、主に以下のような内容を事前にお知らせします。

  1. 各入居者と供給契約書の締結
  2. 工事日やガス会社が変更になる旨などのお知らせ
  3. ガスが使えなくなる時間帯の注意
  4. 支払い方法登録用紙
  5. 開栓時点検のお知らせ(立ち合いが必要)
これらの作業は、切り替え先のガス会社が行います。

書面の投函と直接訪問のどちらかで対応することになりますが、各物件によって流れは異なります。

④ボンベ・メーターの交換作業

供給設備の交換と返却
通常は切り替え先事業者が行う

工事日に供給設備(ボンベ・メーターなど)の交換作業を行います。

まず現供給会社の設備を撤去し、同時に新ガス会社の設備を設置、その後に撤去した供給設備の返却を行います。

この作業はすべて、委任状を取得した切り替え先のガス会社が行うのが通常です。

交換作業中は、各部屋のガスが使えないため、なるべく早い時間内に終わらせるように進めます。

⑤開栓と点検作業

供給開始時点検
開栓と同時に点検を行う必要がある

切り替え作業が終わったら、速やかに開栓と点検作業に移行します。

供給開始時の点検が必須
LPガス会社が新たに供給を開始する際、各供給地点において供給開始時点検を行うことが義務付けられています。
集合住宅でプロパンガス会社を変更する際にも、開栓作業と同時に各部屋で点検を行わなければなりません。
参照:供給開始時点検の解説

ガス会社のスタッフは、全部屋で顧客立ち合いのもと点検を行う必要があります。物件規模によっては、大変な作業になるため、戸数に合わせた人数で取り組みます。

また留守の部屋もあるため、夜まで待機するなどの対応が必要になることもあります。事業者としては、点検をしなければガスを供給できないので、なるべく在宅率が高いと推測される日を工事日に設定するのが通常です。


一般的なプロパンガス会社変更の手順は以上です。

プロパンガス会社の変更は、入居者に大きな手間がかかることはありません。比較的簡単にガス会社を切り替えることができるのです。

ガス料金を安くしたいなど、事業者の変更を検討している方がいらっしゃいましたら、お気軽にご相談ください。

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