この記事では、千葉県市原市の都市ガス会社を記載しています。
都市ガスは、地下の導管を敷設した「導管事業者(どうかんじぎょうしゃ)」と消費者が契約する「小売事業者」に分かれています。
ガス会社を選ぶ際の参考としてご覧ください。
目次
市原市の一般ガス導管事業者
都市ガスは、地下の導管を通って供給されます。その地域において導管を敷設した会社を「一般ガス導管事業者」と呼びます。一般ガスとは、都市ガスを指しています。
市原市における詳しい都市ガス供給エリアや普及率を知りたい方は、市原市の都市ガスとプロパンガス料金を比較をご覧ください。
市原市の都市ガス小売事業者
都市ガス小売事業は、2017年に自由化されました。
消費者は、参入している小売事業者の中から契約するガス会社を選ぶことができます。
新たに参入する都市ガス会社は、導管事業者ごとに経済産業省へ登録を行います。管轄区域が狭い導管事業者の管内には、参入する新都市ガス会社が現れていないこともあります。
大多喜ガス管内の都市ガス会社
- 大多喜ガス
- 合同資源(一般家庭への販売予定なし)
※大多喜ガスは、料金が安いこともあり切り替え先候補として参入している事業者が実質的にありません。 2024年10月更新
大多喜ガスは料金が安い
大多喜ガスは、茂原市に本社を構える企業。
同社は、地元千葉県産の天然ガスを原料とした都市ガスを供給しています。千葉県は、南関東ガス田の中心地であり天然ガスが産出する地域です。
東京ガスなど海外から天然ガスを輸入している事業者と比べて、輸送コストを大幅に削減することができるという利点があります。
大多喜ガスの都市ガス料金は、とても安く設定されています。新たに参入する事業者としては、料金を下回る必要があるため、大多喜ガス管内には実質的に切り替え先の小売事業者が現れていません。
小売事業者に関する注意
上記のガス会社一覧は、経済産業省へ小売事業者として届け出ている企業すべてを掲載しています。
登録企業の中には、実際には小売事業をはじめていないものや、法人限定であったり市原市の中でも地域を限定するなど、すべての消費者を契約対象としていないこともあります。
都市ガスが使えない建物
都市ガスを使うためには、その建物が供給エリア内であるうえ、ガス管を引き込んでいなければなりません。たとえ都市ガス供給エリア内であっても、ガス管を引き込んでいない建物はたくさんあります。
特に賃貸住宅では、自身の意思で都市ガスを引き込むことはできないので、LPガスなど用意されたエネルギーを使用するしかありません。
近年は、LPガスも低価格化が進んでいますので、必ずしも都市ガスよりも高いとは限りません。特に戸建住宅のLPガスは、都市ガスと同じくらいの価格で利用できるかもしれないのです。
市原市でLPガスを利用中でガス代を安くしたいとお考えの方は、市原市のプロパンガス料金をご覧ください。
新都市ガス事業者は数が少ない
新都市ガス事業は、新電力と比べると参入している事業者数に大きな違いがあります。
日本の電力小売事業は、2016年に全面自由化されました。都市ガス小売事業は、翌年の2017年に全面自由化されています。
どちらも経済産業省に事前に登録申請を行い、許可を得た会社が小売事業者として販売することができます。
経済産業省のホームページでは、登録小売事業者の一覧を見ることができます。
- 電気事業者は731社(電気事業法に基づく登録事業者数)
- ガス事業者は76社
2023年12月時点では、登録事業者数がこのように差がでています。
都市ガス事業の方が1年遅れて自由化されているので、事業者数がやや少ないのは自然かもしれません。しかし、この差を見ると、自由化された時期以外にも理由があることが歴然です。
新都市ガス事業は薄利?
新電力事業と比べて、新都市ガス事業は薄利といわれています。
これには様々な事情があるのですが、両者のサービス内容が大きく関係していると考えられるでしょう。
電気と比べてガスは、危険度が高いという特徴があります。
家庭内の電気事故は、現在ではほとんど起こっていません。一方でガス事故に関しては、現在でも一定数事故が発生しています。
ガスは火を扱うため引火事故やガス漏れ事故などの危険があるのです。
一般家庭で使用される電気は、使用開始から使用中まで定期的な点検の義務はありません。使用開始時の立会いも不要です。
一方でガスは、都市ガス・LPガスともに開栓時のほか、定期的に点検することが法律で義務付けられています。開栓も消費者立ち合いの上で作業を行う必要があります。
参照:LPガス供給開始時点検
参照:LPガス定期点検
電気と比べてガスは、顧客の安全に対して割かなければならない人員などの諸費用が高いと考えられます。またそれに準じて供給することによる責任・リスクも負うことになるでしょう。
新都市ガス会社が少ない理由の一つには、このような事情があると考えられます。
市場規模の差や参入の障壁
また電気とガスの市場規模の差も大きな問題だと考えられます。
電気が無くては生活ができないものである一方、ガスは他のエネルギーで代用することができます。都市ガスが供給されているのは、日本国土の10%にも至っていません。
都市ガス未供給の建物では、LPガスや電気、灯油などのエネルギーが使用されています。
電気と都市ガスを比べると、市場規模に大きな差があるのです。
さらに電気は、日本国内を10の一般送配電事業者が管轄して、送配電を行っています。
参照:一般送配電事業者とは
一方で導管から供給される都市ガスは、日本国内に200社以上あります。市原市では、大多喜ガスが導管を敷設・管理しているように、全国各地に大小の都市ガス導管事業者があるのです。
電気と比べると、参入した新都市ガス会社が得られる利益が少ないと考えられるため、登録する企業が現れにくいのです。
都市ガスが自由化された意味はあるのか
都市ガス事業は、2017年に自由化されましたが、市原市では都市ガス会社を変更することができない状態です。
実質的に「自由化される前」と「自由化後」の状況は、変わっていないと捉えることもできるのです。
市原市に供給している大多喜ガスは、元々の料金が安く設定されているので、消費者から「自由化の意味がないじゃないか」という不満が起こる可能性は低いかもしれません。
しかし他の自治体を見ると、かなり高い単価設定の都市ガス会社もある上、参入事業者が現れていないエリアも未だ多くあります。
実際に都市ガスが自由化されて、多くの選択肢から契約する会社を選ぶことができるのは、東京ガスや大阪ガス、東邦ガスなどの大手都市ガス事業者管内のみです。その他の導管事業者管内には、参入する事業者が現れていないか、現れていたとしても数社のみという状態です。
電力は自由化された意義が大いにあると考えられますが、都市ガスに関しては微妙かもしれません。今後、行政がこの状態に変更を加える可能性もあるでしょう。