LPガス国際セミナーが3月6、7日に東京都内の日経ホールにて開催されました。中東アジアやアメリカなどガスを産出する各国と、アジアを中心とした消費国から多数の関係者が参加し、意見交換がなされました。
2013年のシェールガス革命によって、世界最大のエネルギー輸入国から一転し、資源大国となったアメリカですが、今後の世界市場もアメリカ産のLPガス中心の構図が続くということで一致しました。
2012年の国内LPガスの輸入先比率を見ると、カタール・UAE・クウェート・サウジアラジアの中東4ヶ国からの割合が83%を占めていました。かつて高度成長期に国内を混乱に陥れたオイルショックなど過去の事例を見ると、この状況は安定しているとは言い難い状況で、輸入先の分散化が進められてきました。その結果、中東からの依存度が大幅に低下し2017年には38%にまで下がっています。
一方でアメリカ産のLPガスは、2012年に3%であったものが、シェールガス革命により2017年には56%にまで拡大し、国内LPガスの過半をアメリカに頼るという結果になっています。これはアメリカからガスが産出されるようになったことはもちろん、中東各国に比べアメリカ本国の情勢が安定していること、さらに2016年にパナマ運河の拡張工事が完了し、アメリカ東海岸からの輸入も容易になったことなどが要因となっています。
バランスの上ではアメリカに頼りすぎているという見方となるため、今後の展望としては、同じくシェールガス産出国であるカナダやオーストラリアからの輸入比率を増やしていく動きが見られることになるでしょう。