バイオマスレジン福島 浪江工場
相馬ガスHD:http://www.somagas.jp/files/pdf/20221130_PRESSRELEASE%2B%E6%B8%8B%E4%BD%90.pdf

相馬ガスホールディングスが出資するバイオマスレジン福島(福島県南相馬市)の浪江工場(浪江町)が11月30日に竣工しました。

非食用の国産米を原料にしたバイオマスプラスチック「ライスレジン」の製造拠点としては東北地方初、年間3千トンの生産を目指します。

相馬ガスHDの渋佐社長は「ライスレジン製造を通じて、被災地での産業と雇用の創出、原料となるコメの営農再開への支援も含めた創造的復興に貢献し、持続可能な社会の構築に取り組みたい」と竣工式の挨拶を述べました。

浪江工場は、延床面積1776㎡で、ライスレジン製造設備が2ライン設置されています。日産5トンからスタートし、10トンを目指しています。従業員は兼務者を含めて10人、総工費は9.9億円です。

ライスレジンとは

ライスレジン
バイオマスレジン福島で製造するライスレジン:https://www.biomass-resin.com/about/fukushima/

ライスレジンとは、コストや成形性、強度などの品質が従来のプラスチックとほぼ同等のバイオマスプラスチックを指します。

コメを最大で70%まで混合することで石油系プラスチックの含有量を下げることができます。原料米には、古米や米菓製造で発生する破砕米など食用に適さない物に加え、浪江町や隣接する飯舘村で行われている休耕田などで作られた資源米も活用します。

これらの活用により農業問題の解決や原料の輸送コストの低減、二酸化炭素や化石燃料使用量を抑制可能で、SDGs(持続可能な開発目標)にも貢献することができます。カーボンニュートラルに関する取り組みの一環です。

株式会社バイオマスレジン福島

バイオマスレジン福島は、相馬ガスHD60%、バイオマスレジンHD40%という出資比率で、2021年7月に設立されました。相馬ガスHDの渋佐社長が、バイオマスレジン福島の代表取締役も兼務しています。

浪江工場では、将来の脱炭素化の手段として再生可能エネルギー由来の水素の活用などを検討している状況。現在は、ライスレジンの製造を主業務としていますが、将来的にはその他のバイオマスレジンの製造も視野に入れています。

2021年度に環境省の脱炭素と復興まちづくりに関する事業に採択され、グリーン水素供給について予備調査を実施。アルカリ型水電解装置で再エネ水素を大量製造している福島水素エネルギー研究フィールドと近距離にあり、将来的には連携することも考えられます。

バイオマスレジン福島 浪江工場 概要

  • 所在地:福島県双葉郡浪江町大字棚塩字北金ヶ森 1-1
  • 総工費:9.9 億円
  • 面積:土地:2.11ha
  • 工場:1776 ㎡(延床面積)
  • 設備:ライスレジン製造設備 ✕ 2 ライン
  • 従業員数:10 名(兼務者含む)※2022 年 11 月 30 日現在
  • 生産量:5t/日でスタート、10t/日を目指す。約3000t/年を見込む

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