プロパンガスと都市ガスでは、どのくらい料金が違うのでしょうか?
このページでは、中部地方のプロパンガスと都市ガスの料金を比較した結果を掲載しています。お引っ越しや切り替えなどでプロパンガスと都市ガスの料金を比べたい方は、ぜひご参照ください。
ここで掲載している内容は、プロパンガスと都市ガスの料金比較に記載した情報を前提としています。ご覧になっていない方は、あわせてご確認ください。
この記事は次のような人におすすめ!
- プロパンガスから都市ガスへの変更を検討している方
- これから中部地方へ引越しで物件選びをしている方
- プロパンガス料金が高いと感じている方
目次
中部地方のプロパンガスと都市ガスの料金差額
ガス会社名 | 都市ガス11㎥・プロパン5㎥の請求額 | 都市ガス22㎥・プロパン10㎥の請求額 | 都市ガス44㎥・プロパン20㎥の請求額 | |
---|---|---|---|---|
都市ガス料金 | 東邦ガス | 2990 | 5138 | 8687 |
金沢エナジー | 3524 | 6286 | 11658 | |
日本海ガス | 3917 | 6241 | 10890 | |
プロパンガス 標準料金 | 東邦液化ガス | 5885 | 9625 | 16885 |
サーラE&L | 6517 | 10505 | 18480 | |
エネアーク中部 | 5665 | 8855 | 14905 | |
プロパンガス中部地方平均料金 | 5575 | 9057 | 15678 | |
プロパンガス最安値料金 | 3850 | 5940 | 10120 |
※原料費調整制度を採用・公表している会社は、調整後の料金で計算しています。
プロパンガスの標準料金と比べると、都市ガスの方が圧倒的に安くなっています。ただプロパンガスの「標準料金」は、必ずしもその金額が適用される訳ではありませんので注意が必要です。
参照:標準料金の解説
比較に際しての注意
プロパンガスと都市ガスでは、熱量が異なります。
プロパンガスは、都市ガスよりも熱量が約2.2倍多くなっています。簡単に言うと、プロパンガスの方が少ない使用量で済むのです。詳しくはプロパンガスと都市ガスの違いで解説しています。
- プロパンガス5㎥に対して都市ガス11㎥
- プロパンガス10㎥に対して都市ガス22㎥
- プロパンガス20㎥に対して都市ガス44㎥
都市ガスの方がプロパンガスよりも安いとは限らない
特にプロパンガスの最安値価格と比べると、都市ガスよりもプロパンガスの方が安くなることもあります。
このように料金を比べてみると「中部地方においては、都市ガスの方がプロパンガスよりも絶対に安いとは限らない」といえるでしょう。
戸建住宅や分譲マンションなど「プロパンガスを安く利用できる環境であれば」都市ガスと同水準の料金になる可能性は十分にあるでしょう。
中部地方は、関東地方と同様にプロパンガス会社の競争が激しい地域です。そのためプロパンガス料金も安い傾向にあるため、このような結果になっていると考えられます。
参照:アパートのプロパンガス
都市ガス料金は、割引プランではなく「一般料金」で計算しています。特定の機器を使用するお宅では、一般料金よりも安い単価が適用されます。
両社の供給方法が料金に影響している
- 都市ガスは、地下の配管を通して供給するので都市部でのみ使用できる。
- プロパンガスは、ボンベを個別で配送して供給するので、どこででも使用できる。
一方でプロパンガスは、初期投資は少額にできますが、定期的にボンベを交換する必要があるため、人件費を含めた配送コストがかかってしまいます。
このような理由のほか、下記に記載するような両者の料金体制の違いも影響して、プロパンガスは料金変動が激しく、徐々に高くなる傾向にあるのです。
都市ガスの料金は公平
都市ガス料金の最大の特徴は、すべての顧客に対して平等であることです。
また公共料金という位置付けであるため、「すべての顧客に対して公平であること」が必須条件として求められているのです。
2017年に小売事業者が全面自由化されたことを受け、現在はほとんどの事業者が自由料金制へと移行していますが、「すべての方に対して同じ条件で料金が決定される」という方針は変わっていません。
都市ガスでも、お住まいの地域や使用するガス機器により料金プランが違うこともあるのですが、それは「皆さん同じ条件」です。
一戸建てであろうと集合住宅であろうと関係ありません。一人暮らしでも家族住まいでも同じ条件で料金が決まります。
従って都市ガスの料金は、使用する地域やガス機器がわかれば引っ越し前でも簡単に計算することができるのです。
プロパンガスの料金は個々のお宅でバラバラ
プロパンガス料金は、以前から「自由料金制」です。その名のもとにプロパンガス料金は、顧客ごとに個別で料金が設定されることが一般的です。
つまり物件によって高くされることもあれば、安くできることもあるのです。
プロパンガスは、戸建住宅か集合住宅かなど、環境によって適用される料金が大きく異なります。
戸建てにお住まいの方であれば、当社でプロパンガス会社の切り替えや引越しの相談を承っています。戸建住宅にお住まいの方は、都市ガスと同水準の料金で利用できる可能性が十分にあります。
プロパンガスの方が安いこともある
プロパンガス料金は自由に提案できるため、逆にとても安い料金が適用されることがあります。
多くのお宅では「都市ガスよりもプロパンガスの方が料金は高い」というのが事実ですが、必ずしもすべてのケースに当てはまるとは限りません。
プロパンガスと都市ガスは違うサービス
そもそもプロパンガスと都市ガスは、異なるサービスです。
成分が異なる上に使用するガス機器も違います。
実際のところは、使ってみなければわからないのです。
これから引越しされる方で都市ガスとプロパンガス物件を比較している場合は、使用するガス機器などによって使用量が変わることにも注意するべきでしょう。
例えば新しい給湯器では、高効率でエネルギーを生み出すことができるため、ガスの使用量を抑えることができます。
従って「プロパンガスだから高い」「都市ガスだから安い」というだけでなく、使用する場所の環境によってガス料金は増減するということも覚えておいてください。
中部地方のプロパンガスと都市ガス普及状況
名古屋市においては、都市ガスの普及区域が圧倒的に広いですが、それ以外の自治体では都市ガスとプロパンガスが混在しています。
また石川県と富山県では、都市ガスの供給区域が限定されており、多くの自治体ではプロパンガスのみが供給されています。
この記事をご覧になっているのは、都市ガスとプロパンガスが混在している地域にお住まい、またはお引越し予定の方が多いかと思います。
特にプロパンガス供給の集合住宅は、ガス会社を選ぶことができません。入居者自身の意思により安いガス会社へ変える選択ができないため、引越しする方は十分に気を付けましょう。
尚、地域の都市ガス一般ガス導管事業者を知りたい方は、日本ガス協会のホームページをご確認ください。
中部地方のプロパンガスと都市ガス料金(まとめ)
ここまで中部地方のプロパンガスと都市ガスの料金比較について解説しました。
結論としては、「都市ガスの方が総合的に考えると安くて安定していますが、環境によってはプロパンガスの方が安いこともある」といえます。
- 都市ガスの料金は確定している
- プロパンガスの料金は確定していない
従って都市ガスとプロパンガスの差額に関しては、その物件によって変わることになるのです。
特に賃貸の集合住宅へお引っ越しを考えている方は、プロパンガス料金が高めに設定される傾向がありますのでご注意ください。ただ分譲の集合住宅の場合には、非常に安く設定されている物件もあります。
一方で戸建て住宅の場合には、プロパンガス業界の競争が激しい影響もあるため、そこまで差額は大きくない傾向にあります。
一戸建てにお住まいで、プロパンガスから都市ガスへの切り替えを検討している方は、一度プロパンガス会社の変更を考えてみてはいかがでしょうか。
以上、プロパンガスと都市ガスの料金比較をしたい方の参考になれば幸いです。
中部地方の都市ガス・プロパンガス料金Q&A
中部地方で都市ガスとプロパンガス料金は、どちらの方が安いですか?
一般的には、都市ガスよりもプロパンガス料金の方が高いことが多いでしょう。ただ契約を結ぶガス会社など環境によって料金設定が異なるので、一概に言うことはできません。中部地方は、プロパンガス料金の相場が安い地域なので、都市ガスと同水準で利用できることもあります。
都市ガス料金の特徴は何ですか?
料金設定が高いか安いかは別として、全顧客に対して統一されていることが最大の特徴です。戸建・集合住宅に関わらず、同条件で料金プランが決まるので、不公平感がありません。
プロパンガス料金の特徴は何ですか?
多くの企業では、料金設定が顧客ごとに違うことです。お住まいになる物件によって、都市ガス料金と同水準のこともあれば、差額が大きいこともあります。中部地方では、愛知県や岐阜県ではプロパンガスを安く利用できることもあるでしょう。
都市ガスとプロパンガス、どちらを選べばいいですか?
都市ガスとプロパンガスを選べる環境にあるとして、一般的に都市ガスの方が安価でしょう。ただ災害時の復旧速度や熱量の高さでは、プロパンガスに利点があります。そもそも中部地方では、愛知県以外では、都市ガスを利用できる自治体が限られているので注意が必要です。
プロパンガスの料金を安くする方法はありますか?
ガス会社を切り替えることで料金を抑えられる可能性があります。また料金交渉を行うことも有効な手段になり得るでしょう。当社では、プロパンガスの切り替え相談や戸建住宅に引越す方の開栓予約を承っています。⇒問い合わせ
この記事は、私が作成しました。
静岡県出身。エネルギー業界に10年以上携わり、特にプロパンガスや都市ガス、電力を専門にしています。またウェブサイトや記事も自身で作成します。ご意見や感想、指摘などありましたら、気軽にお寄せください。⇒著者情報