資源エネルギー庁は2017年6月1日から施行される、液石法(液化石油ガスの保安の確保及び取引の適正化に関する法律)の改正省令に向けたガイドラインに関するQ&Aを同庁のHPで公開しました。
ややこしく聞こえるかもしれませんが、資源エネルギー庁ではLPガス業界の適正な取引と料金の透明化を目指しており、今年の6月から省令を改正します。それに先立ち、準備を進めるLPガス販売企業からの質問に対し、Q&A形式で返答した形になります。
ホームページでの料金掲載を推奨
ガイドラインでは様々な内容に触れていますが、ユーザー側として最も大きな部分は料金の透明化に関する内容でしょう。
以下料金の公表に関する2つの事項を抜粋します。
「液化石油ガス販売事業者は、一般消費者等が料金水準の適切性を判断しやすくなるよう、自社の標準的な料金メニュー(例えば、液化石油ガスの一定使用量ごとに発生する料金や使用量に係わらず発生する基本的な料金等)及び一般消費者等による平均的な使用量に応じた月額料金例(以下「標準的な料金メニュー等」という。)を公表する必要がある。」
「標準的な料金メニュー等の公表は、不特定多数の一般消費者等が自由に閲覧できるよう、自社のホームページを有する者は当該ホームページに、それ以外の者は店頭の見えやすい場所に掲示するなどの方法により行う必要がある。」
つまりこのサイトでも掲載しているような料金メニューを各ガス会社がホームページ上にきちんと掲載するように指導しています。これまではプロパンガス会社のwebサイトを見ても、料金がどこにも載っていないという企業が多々ありましたが、今後は「一般的な料金メニュー」が公開されることにより、少なくとも「料金の目安」はわかるようになると考えられます。
ガイドラインには「すべての料金メニュー」とは記載されていませんので、完全な透明化には程遠いという印象ですが、少なくとも第一歩を踏み出したと捉えることができます。
同庁が公表している「LPガスに関する相談件数」の中でも、LPガスの価格に関する相談が24%に上っており、料金制度や料金改定に疑問を持つ顧客の割合の多さを問題視し、対策を打ち出した形になります。
今回はあくまでも「液石法省令の改正」であり、「液石法の改正、つまり法律の改正」ではないため、強制力を持つものではありませんが、国として方針を示したことで、多くの企業はこれに従うことになると考えられます。
今後これに追随する形で、プロパンガス料金の透明化に向けた動きが加速するのかどうかに注目しましょう。