全国LPガス協会は6月9日に2017年度の通常総会を開催しました。
LPガス業界へは、既に資源エネルギー庁から料金透明化などに向けたガイドラインが公布されていて、今回の総会ではその遵守が改めて確認されると同時に、消費者のLPガス離れを食い止めるための事業計画が決められました。
近年では需要家数で既に都市ガスがLPガスを上回っている状態となっている上、今年4月から都市ガスが自由化されたことで、さらにその差が拡大することも予想されています。工場などの事業者用の需要が急激に減少することは予想しづらいですが、一般家庭では既に都市ガスは安くてLPガスは高くて不透明というイメージが定着しつつあります。
そのため事業計画では、取引適正化と料金透明化への動きを徹底することで、消費者との信頼関係を築くことが最重要課題として示されています。
本来LPガスは、ボンベさえあれば「どこででも使える」というとても大きな長所を持っています。災害などの緊急時でも活躍することができるため、消費者としてもLPガスを選ぶメリットは大いにあると考えられます。
ただ、都市ガスなど他の業界では、企業のホームページなどを見れば料金が一目瞭然なのに対し、LPガス業界ではホームページを見てもそのような情報が公開されていません。そのため消費者としては「料金がいくらなのか」という、一番先に知りたい情報を得づらくなってしまっている上に、契約後も料金が変動しやすいことなど、料金に関する不透明さが目立ってしまっています。
また、企業間で「不戦協定」のような取り決めがあり、消費者が望んでも乗り換えができないという悪しき習慣があるなど、他の業界と比べて適正に取引が行われているとは言えないのが現状です。
このような状況では、消費者がLPガスを選ばないという判断は自然なものとなってしまいます。
今回の総会で再確認された「取引適正化」と「料金透明化」という2つの方針は、LPガス業界の将来を左右する重要な項目であり、この2つが改善されることによってLPガスが再び支持を得ることも可能であると考えます。
本来都市ガスもLPガスも、仕入れ価格自体には大差はありません。「LPガスは高い」というイメージが付いてしまっているのは、ボンベの配送などの手間があることもありますが、上述したような不透明さが原因で、事業者が不当に高い料金で提供することを可能にしてしまっていることが最大の要因だと考えるべきでしょう。
今年は特に業界全体が変革の年になると思われます。業界全体が変革して、気持ちよくガスを使えるような状態になることを期待しましょう。