経済産業省は、2022年度第2次補正予算案に計上された「電気・ガス価格激変緩和対策事業」で、ガス代と電気代を値引きする小売事業者の公募を11月末に開始します。
同事業には、ガス6203億円、電気2兆4870億円の総額3兆1074億円が計上されました。
補正予算案では、エネファームやハイブリッド給湯器などの高効率給湯器の購入費を支援し、省エネを促進する新制度300億円も盛り込んでいます。
経済産業省は、補正予算成立に先行して激変緩和対策事業の補助交付事務などを行う「事務局」をまず公募しました。
公募には2件の応募があり、審査の結果、株式会社博報堂が補助事業者と決定されています。
[blogcard url=”https://www.enecho.meti.go.jp/appli/public_offer_result/2022/data/1109_01.pdf”]
今後、値引きを実行するガス・電気の小売事業者からの公募申請を受け付ける予定。12月初旬には対象となる小売事業者を採択することになります。
小売事業者が決定した後は、
- 各事業者が12月末頃、原燃料費調整後の1月分のガス・電気料金を発表する際に、補助適用額も改めて発表する。
- 1月分料金から補助適用し、2月検針時に各戸のガス代・電気代を確定
というスケジュールを想定しています。
補助額に関しては、
- 都市ガス:1㎥あたり30円(家庭用と使用量が少ない業務用に限る)
- 低圧電力:1kwhあたり7円
- 高圧電力:3.5円
としています。
適用するのは2023年9月分までの予定、ガス・電気ともに需要家の7割をカバーすることを想定しています。
今回の支援に関しては、無条件ですべての都市ガス・電力事業者に対して行うとするものではなく、「公募する」という形をとっています。
また2020年4月の特別定額給付金のように国民に対して直接的に支援するのではなく、都市ガス代・電気代を下げることにより間接的に支援する形を採用しています。
一方で危機に強いエネルギー供給体制構築の一環として盛り込んだ「高効率給湯器導入促進による家庭部門の省エネ推進事業費補助」は、
- エネファーム1台あたり15万円
- ヒートポンプ給湯器とハイブリッド給湯器(ガスと電気を組み合わせた給湯器)に5万円
の補助金が適用されます。
その他、中小企業等の省エネ対策を促進するため、
- 3年間の投資計画に対し切れ目なく対応する「省エネ投資促進支援事業費等補助金」に500円
- 「中小企業等に向けた省エネ診断拡充事業」に20億円
- 避難施設などへの天然ガスコージェネレーションやGHP導入を支援する「災害時の強じん性向上に資する天然ガス利用設備導入支援事業費補助金」に14億円
をそれぞれ計上しています。
LPガス関連としては、
- 流通コスト等の低減を支援する「小売価格低減に資する石油ガス配送合理化補助金」に138億円
- 需要家側の燃料備蓄を推進する「小売価格低減に資する石油ガス設備導入促進補助金」に16億円
が計上されました。
LPガスに関しては、原料となるプロパン・ブタンの輸入価格が下落し始めており、今後上昇する見込みが少ないこと、さらに事業者数が1万7千社ほどあることから、国から事業者、事業者から消費者というルートで補助を行うことが実質的に難しいという背景があります。
そのため、直接的なガス代の補助などの支援対象からは外されています。
LPガスの補助関連に関しては、こちらのページで解説しています。
[blogcard url=”https://www.propan-gas.com/meti-lpgas-support-2022/“]
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