消費者庁は5月25日、ニチガス(日本瓦斯株式会社)に3か月間の訪問販売に関する業務を一部停止する行政処分を執行したと発表しました。
期間は、2023年5月25日から2023年8月24日まで。
停止される業務としては、訪問販売に関する
- 勧誘
- 申込受付
- 契約締結
の3点です。
消費者庁が公表した文書では、「訪問販売に関する業務の一部」とありますが、勧誘や申込受付が停止されているので、実質的に「訪問販売が停止された」と捉えられます。
参照ページ(外部サイト):消費者庁執行状況
ニチガスは、4月14日に消費者庁からの行政処分を受ける予定であることをあらかじめ公表していましたが、5月下旬に執行されることになりました。
過去に行った訪問販売6件が違法とされたのですが、具体的な事案に関しては、該当の記事をご覧ください。
[blogcard url=”https://www.propan-gas.com/nichigas-provisional-administrative-measures/”]
あくまでもニチガスの訪問販売が停止
ご注意として、「ニチガスに3か月間、申し込みができなくなる」ということではありません。
ニチガス供給の建物に入居する方など「自ら契約を希望する方」は、ニチガスに連絡すれば新規申し込みは可能です。
またニチガスの既存顧客の方は、トラブルなどが発生した場合、ニチガスに電話すれば対応してくれます。すでにニチガスと契約中の方にとっては、なにか不都合が生じることはありません。
あくまでも訪問営業による勧誘や申込受付などが禁止ですので、現在ニチガスの顧客ではないお宅に訪問して勧誘する行為が3か月間停止になったということです。
尚、ニチガスは来年からグループ企業の再編を予定していることを先日公表しています。
参照ページ:ニチガスグループ再編
現状では、ニチガスの子会社である東彩ガス・東日本ガス・北日本ガスでも小売事業を展開しています。
今回行政処分を受けたのはニチガス本体ですので、上記3社は処分対象ではありません。
ニチガスの株価
ニチガスは、東証プライム市場に株式上場している企業です。
株価を見ると、行政処分予定であることを公表した4月下旬には一株1700円程度まで下落したものの、直近では2000円程度にまで戻しています。
訪問営業を積極的に展開するニチガスにとっては、3か月間の停止はそれなりの痛手になるでしょう。ただし、会社の経営が傾くほどではないと考えられます。
今回訪問営業停止が正式に決定したことで、再び株価が下落することが予想されますが、再び上昇するのか、どのような動きになるか注目です。
処分内容が重い?
都市ガス・LPガス含めてガス会社が行政処分を受ける事例は非常に少ないのですが、最近では大阪ガス関連の小売電気事業者・CDエナジーダイレクトが6か月間の訪問販売停止の処分を受けています。
参照ページ(外部サイト):CDエナジーダイレクトが6か月間の訪問販売停止
今回ニチガスが公表している書面では、再発防止を徹底することが記載されていますが、同時に本処分に対しての疑義について触れています。
処分対象となった6件の特商法違反事例ですが、訪問営業員が申込書を獲得した後、ニチガスへ切り替わる前に顧客側の申告によりキャンセルされているようです。
つまり該当の消費者がニチガスの顧客になったことで「不利益を受けた(金銭的な損をした)」訳ではないのです。
筆者の個人的には、事例に対して処分内容が重いという印象を受けます。ニチガスとしても主張したい点があるということで、法的措置を含めて検討するとしています。
[blogcard url=”https://ssl4.eir-parts.net/doc/8174/tdnet/2287255/00.pdf”]
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