ニチガス LPガス顧客数96万件を超える – プロパンガス料金比較サイト

ニチガス（日本瓦斯株式会社）の2023年3月期第2四半期決算

ニチガスの業績は、今期も順調に伸びています。通期では、営業利益、純利益ともに過去最高益を狙っています。

尚、純利益の減少は、前期に計上した特別利益の剥落によるものです。

LPガス事業について、今夏の高気温によって販売量に関しては減少しています。ただ、原料の高騰を踏まえて値上げを実施したため利益額は増えました。

上期の顧客純増数は1万5千件で、このうち1900件は小規模の買収によるものです。ニチガスが携わったM＆A案件は、前期上期の9社から今期上期は14社に増えています。

2022年はLPガスの原料となるプロパン・ブタンの輸入価格が過去最高額を記録するなど、高騰を続けている状況。小規模のLPガス事業者の中には、経営難に陥っている企業が多く、買収案件が増えていると考えられます。

元々ニチガスは、営業活動を積極的に推進する企業です。ただ昨年から今年にかけては、新型コロナウイルスと、ロシア・ウクライナ問題などの影響による原料高騰から、訪問営業をそれほど積極的には行っていませんでした。

しかし、今期はコロナウイルスの影響が収まりつつあり、営業活動を再開しています。さらに企業買収によりまとまった顧客を獲得しており、お客様数は1万5千件以上増加しています。

これでニチガスのLPガス顧客数は96万3千人となっています。（10月末時点）

また新電力事業も好調です。

顧客数は、3月末から2万8千件増えて30万7千件となりました。（10月末時点）

東京電力などからの切り替えは少なく、主に新電力からの申し込みが増えています。

新電力業界に関しても、原料費高騰の影響を受けて、事業撤退や新規申し込みの停止、値上げなどを実施している事業者が多く、そこからニチガスの新電力に流入した形となります。

またLPガスをニチガスに切り替える際に、電力もセットで切り替える方が多いことが予想されます。ガスと電気をニチガスにした場合、セット割引を受けることができます。

新電力に関しては、10月17日から3年ぶりにテレビCMを展開しています。おなじみの出川哲郎さんと本田翼さんが出演する内容で、ニチガスの新電力プランをアピールしています。

ニチガスは、ガスと電気のセット獲得に力を入れていることがわかります。

一方で都市ガス事業に関しては、顧客数が減っています。

ニチガスは、旧都市ガス事業と、新都市ガス事業を行っています。

「旧都市ガス事業」とは、一般ガス導管事業を指します。いわゆる東京ガスのような導管を敷設して都市ガスを供給するサービスです。

ニチガスは、LPガス販売が主力ですが、関東圏内の一部で都市ガスの導管も所有しています。

ニチガスが導管を所有している自治体一覧

旧都市ガス事業に関しては、3月から1500件ほど顧客数が減少して41万7千件となっています。

また新都市ガス事業に関しても、同様に顧客数が減少しました。

3月から2万633件減の27万6千件となっています。

新都市ガス事業というのは、東京ガスなど他の一般ガス導管事業者のエリアに、小売事業者として参入する事業です。

都市ガスの小売事業は、2017年4月に全面自由化されています。ニチガスは、自由化直後から小売事業者として参入し、東京ガス管内を中心に積極的に顧客獲得に動いていました。

しかし最近では、薄利である新都市ガス事業の優先順位が下がっており、積極的に新規顧客獲得は行っていません。現在では、主に戸建て住宅の顧客のみを受け付けており、集合住宅の顧客獲得は行っていない状況です。

かつて獲得していた集合住宅の顧客が引っ越しなどにより離脱しており、大幅な顧客数減少となっています。

ニチガスが小売事業者として参入している供給区域

現在のニチガスでは、LPガスと新電力事業に注力しています。

旧都市ガスと新都市ガス事業に関しては、積極的に顧客獲得には動いていません。

当社では、LPガス切り替えのご相談を承っています。

ガス代が高くて困っているという方は、お気軽にご相談ください。

この記事は、私が作成しました。静岡県出身。エネルギー業界に10年以上携わり、特にプロパンガスや都市ガス、電力を専門にしています。またウェブサイトや記事も自身で作成します。ご意見や感想、指摘などありましたら、気軽にお寄せください。⇒著者情報