中東アジア産のLPガス販売価格「サウジCP」の8月価格が急上昇しました。プロパンが1トンあたり前月から75ドル高値の420ドル、ブタンは95ドル高値の460ドルとなっています。
このサウジCPの価格は、日本向けの長期契約価格の目安とされているため、日本国内にも大きな影響を与えることが予想されます。
LPガスの輸入元は、近年では多角化されているため「中東産だけ」ではありませんが、中東アジアが大きな仕入れ先であることは間違いありません。サウジCPが値上がりすることによって、国内のLPガス仕入れ価格・流通価格も連動して上昇する傾向にあるため、国内の消費者宅への販売価格も値上がりする可能性があるでしょう。

通常ではガスの需要が減少する夏場には値下がりすることが多く、この時期の急激な上昇は異例のことです。
プロパンは今年2月から7月まで165ドル値下がりしていた状況で、今回の値上げによってその半値ちかくを戻すかたちになりました。同じくブタンも2月からの下げ分の4割ほどを戻した格好です。

この値上げは、アメリカ産の輸出価格高騰が主な要因として挙げられています。
数年前までLPGの輸入元としては中東アジアの独占状態でしたが、シェール革命によってアメリカ産をはじめとしてカナダやオーストラリアなど、中東以外からの輸入割合が急激に上昇することになりました。その結果、アメリカのスポット輸出価格とサウジCPに連動性が見られるようになっています。

アメリカ産のスポット輸出価格は、7月はじめから18％の上昇を見せています。今回のサウジCPの値上がりは、この上昇に連動したと推測されます。

また、中国やインドなどアジア各国内での需要が増加していることも要因のひとつとして挙げられています。