東京ガスリキッドホールディングスとアストモスエネルギー、ENEOSグローブは2月28日、関東地域においてLPガスの充填、配送、保安に関する提携協議を開始すると発表しました。共同で出資する法人を今夏にも設立する方針です。
LPガス業界では配送員の不足が深刻化している状況で、設立する新会社ではこのような事業者に関しても利用を呼びかけることになりそうです。つまり利用料を支払うことによって、「ボンベ配送のみ」「保安管理のみ」「ガスの充填作業」など、ガス事業者が行う業務の一部を委託する、または施設を利用することが可能になります。
東京ガスリキッド、アストモス、ENEOSの3社は、LPガスの元売りを行っている事業者です。卸先として提携している事業者や傘下の販売店はもちろん、その他の販売事業者が利用できるようなオープンな「公共インフラ」とするとしています。
LPガス業界が抱える問題点のひとつとして、「公正な取引が行われていない」ということがあります。消費者が事業者の切り替えを希望した際、消費者の意思とは関わりのないところで、「会社同士の繋がり」を理由として切り替えを拒否するケースがあります。
例えば、「卸元、卸先の関係」「ボンベの充填」「ボンベの配送」など、業務の中で何らかの取引関係のある事業者からは、顧客を奪わないという取り決めをしているのです。
今回3社が構築するいわばLPガスの公共設備が、上述のようなNG制度を助長するものでなく、「完全に中立の立場」として運用されるのであれば、業務効率化を推進する素晴らしい取り組みであると言えるでしょう。
東京ガスリキッドホールディングスのリリース
http://www.tokyo-gas.co.jp/Press/20180228-02.html