プロパンガス販売などの大手・TOKAIは、定期的に空き家を巡回して結果を顧客に報告するという空き家巡回サービス「イエリポ」の提供を開始しました。
このサービスは空き家を対象に、建物や庭の損傷・投函物の有無・不法投棄の確認・喚起や水回りの点検などを定期的に代行するもので、結果を14日以内に報告書として顧客に郵送します。
料金は2か月に一回の巡回で年額3万6000円、月額にすると3000円となり、1か月に一回の巡回では年額5万7600円(共に税抜)となります。提供エリアは、現在のところTOKAI社の本拠地・静岡県内を対象としています。サービスの事業結果によっては、今後更にエリアを拡大することもあり得るでしょう。
空き家問題は国内全域で深刻化していて、2013年の時点で国内の空き家率は13.5%で、2033年には30%まで上昇すると予測されています。
静岡県内の空き家率は16.3%と、全国平均を上回っている状況で、戸数にするとおよそ27万戸となっています。戸数にすると、とんでもない状況であるということが窺えます。
政府もこの事態を重く見て2015 年 2 月には「空き家等対策の推進に関する特別措置法」を施行して、空き家対策を進めています。TOKAIとしてもこの流れに乗った形となり、この空き家巡回をフックとして同社の他サービスにつなげていく狙いです。TOKAIグループは、総合エネルギー会社という立ち位置で、インターネットサービス・ケーブルテレビ・ウォーターサーバー・リフォーム・セキュリティ、そしてプロパンガスなど様々な事業展開を行っています。今回の空き家巡回サービスへの相談から、リフォームやセキュリティ、不動産部門による再販などへの展開が考えられます。
TOKAIの静岡県内への影響力は絶大で、3世帯のうち2世帯は同グループのサービスを利用しているようです。
このサービスは、国の方針に沿ったものであると同時に、社会のニーズに応えるものであり、顧客満足度の上昇や地域貢献にもつながるものです。空き家の巡回をすることにより、犯罪の抑止にもつながると考えられます。
TOKAIグループが銘打つ、TLC(トータルライフコンシェルジュ)というビジョンに沿った素晴らしい取り組みであると言えるでしょう。