TOKAIグループは、静岡県島田市で今春から着工していた、生活用水や電気を自給自足する「OTSハウス」が竣工し10月10日から公開されました。
同社はLPガスをはじめ、住宅・電気・ウォーターサーバー・インターネット・ケーブルテレビと、生活環境に関わるサービスを総合的に展開しており、OTSハウスにはこれらサービスの最先端技術が集約されています。今後1年間の実証実験を経て、商品化につなげていく方針です。
OTSハウスの概要は、敷地面積281㎡、延べ床面積143㎡、木質構造パネル工法の2階建て。基本的には、すべての生活インフラをTOKAIがワンストップで提供することで、利便性を向上させています。つまり、ガス・電気・水・インターネットなどの窓口がすべて一本化されることで、わかりやすくなるというメリットがあります。
大きな特徴としては3点、
① 雨水を生活用水として活用。効率的に雨水を集めるために特徴的なデザインとなっており、地下の1万リットルという巨大タンクに貯水すると同時に浄化を行い、建物内へと供給します。排出された生活用水は、逆浸透膜装置によって純水にまでろ過され、再度タンクに貯水、循環利用されます。正常に機能すれば、上水道が不要になります。
② 電気を自給自足。太陽光発電パネルとLPガス仕様のエネファームを設置することにより、すべての生活電力の自給自足を実現しています。昼間に太陽光で発電した電力を蓄電池に蓄えることによって、夜間でも利用可能としています。また、定置型蓄電池に加え、電気自動車を蓄電池として利用するという工夫がなされており、電線からの電気が不要とされています。
③ 快適さと安全性。上述したTOKAIが展開する各種サービスが集約された家となっています。最大10Gbpsの超高速インターネット(現在の光回線では1Gか2Gが主流です。)、4K放送、宅配水(飲み水)サービス、ホームセキュリティなどのサービスを一元化して提供します。
ガスは災害に強い分散型のLPガスを利用、電気や水道も上述の通り自給自足が実現すれば、災害時にも平時と同じような生活を送ることが可能となるでしょう。(LPガスのボンベ1本は、およそ1か月間生活できる量です。)特に静岡県や愛知県など東海地方では、東海大地震や南海トラフ地震の発生が予想されているため、災害対策は非常に重要な要素といえる状況です。
同社ではこれに加えて、今流行りのIoT(モノのインターネット:パソコンやスマートフォンだけでなく、すべてのものをインターネットにつなげる構想)を展開していく考え。この最先端の住宅が一般に広く普及するためには、かなりの期間を要すると予想されますが、実現すれば平時の利便性だけではなく、災害時への備えは各段に上昇するでしょう。