東芝と東芝燃料電池システム(TFCP)は、エネファームの製造・販売を7月末までで終了することを発表しました。
既に販売済みのエネファームの保守・管理などサービス提供に関しては、引き続き東芝燃料電池システムが行うことになります。つまりエネファーム事業のすべてを廃止するのではなく、新規でエネファーム商品を製造して販売することをやめるということになります。東芝製のエネファームが使えなくなるということではありませんので、ご安心ください。
東芝がエネファームの製造から撤退することにより、エネファームのメーカーはパナソニックとアイシン精機の2社のみとなりました。
2009年から販売開始となった東芝のエネファームは、ピーク時である2014年度には売上高210億円を記録し、事業は順調にも思えます。しかし他社の追い上げによりシェア争いが激化し、開発の遅れから画期的な新製品が投入できない状態が続いていたことから採算が悪化、黒字化するのは困難であると判断したようです。
エネファームは都市ガス・LPガス双方に対応した機器が販売されていますが、その内東芝製の累積販売台数はおよそ8万台にのぼり、全体の4割を占めています。これまで東芝機を扱うガス会社は都市ガス・LPガス合わせて253社で、その内東芝機のみを扱うのは225社もあります。東芝がエネファームのLPガス仕様機が登場した当初から販売していたこともあり、特にLPガス業界では東芝製を扱う事業者が多くなっています。
販売台数や環境で見ると堅調ではありますが、事業としては赤字の状態で、上述した商品開発などの理由から将来的な見込みがないという判断を下すことになってしまいました。
東芝といえばみなさんご存知の大企業でありますが、最近では経営問題などよろしくないことがニュースになることが多くなっています。これだけの大企業・大グループであれば、常に様々なトラブルと向き合うことになるのは当然でしょうが、近年ではどうにも元気がないというようなイメージがついてしまっているように思います。
様々なトラブルを乗り越えて、また素敵な商品を世に送り出してくれることを期待しましょう。