嬬恋村の紹介
嬬恋村のキャベツ畑と自然風景・つまごいパノラマラインより

嬬恋村は、群馬県の西端に位置する村、吾妻郡に属しています。

当社(株式会社newcreate)は、嬬恋村大前にある法人です。⇒運営会社情報

この記事では、嬬恋村について様々な情報を記載しています。

主に嬬恋村へ移住を考えている方に向けた内容ですが、観光で訪れる予定の方もご参照ください。

嬬恋村の特徴

嬬恋村のキャベツ畑
嬬恋村のキャベツ畑
嬬恋村の基本情報
人口面積人口密度
群馬県吾妻郡嬬恋村約8.8千人337.58㎢約26人/㎢

嬬恋村は、日本百名山に抱かれた高原の村。

村内は、美しい山々と雄大なキャベツ畑に囲まれ、冷涼な気候を特徴としています。

村の中央部を吾妻川が東西に流れ、川に沿うように国道144号線が走っています。嬬恋村では、国道沿いを中心に住宅をはじめとした施設が建てられています。

エネルギー

  • 管轄の電力会社(一般送配電事業者):東京電力(パワーグリッド)
  • 都市ガス:未供給

嬬恋村では、都市ガスは供給されていません。地理的に考えると将来的にも都市ガスが供給されることはないでしょう。

嬬恋村でガスを利用するとしたらLPガスです。

村内では、灯油を使用しているお宅が多くあります。また寒冷地なので、家全体を暖められる薪ストーブのお宅も少なくありません。

標高

嬬恋村から望む浅間山
嬬恋村から望む浅間山

嬬恋村の最高地点は、浅間山・山頂の2568メートル。最低地点は、国道144号線の長野原町との境辺り650メートル(推定)と高低差があります。

一般的に集落が形成されているのは、標高650~1300メートル程度の地域。村内でも場所によって気温がかなり違います。

また高低差が大きいため、坂道が多いという特徴があります。

気温

「嬬恋村田代の気温と降水量」気象庁の統計より
2023年の数値(単位:気温℃・降水量mm)
1月2月3月4月5月6月7月8月9月10月11月12月
平均
最高気温
0.52.010.414.417.620.726.525.923.915.010.95.7
日平均気温-3.9-2.84.37.811.616.221.021.318.99.25.40.3
平均
最低気温
-8.7-8.0-1.11.35.812.016.218.115.44.40.5-4.6
降水量11.532.0110.5106.0172.0275.5122.5174.0134.092.558.543.0
嬬恋村の気温推移表

嬬恋村では、最も暑い7月・8月に最高気温が30℃前後になります。それでも都会の蒸し暑さと比べると、涼しく感じるでしょう。

9月から一気に寒くなりはじめ、暖房を使うお宅もでてきます。

12月頃から積雪があり、真冬には最低気温が-10℃以下になる日もあります。この時期には、最高気温が0℃を越えない真冬日も珍しくありません。

3月から徐々に暖かくなり、雪が完全に溶けきるのは4月下旬頃です。

昼夜の気温差が大きく、5月・6月まで寒さを感じることがあるでしょう。

田代は、嬬恋村西部の地区です。村内は、標高差が大きく地区によっても気温が違います。田代は、標高1000~1200m程度の場所です。

昼と夜の気温差が大きい

高地の特徴として、昼と夜の気温差が大きいことが挙げられます。

日中は快適でも夜から朝方にかけて寒さを感じる日が多くあります。地区にもよると思いますが、私は9月から6月までストーブを使用します。

日本一のキャベツの産地

嬬恋村のキャベツ畑
大前のキャベツ畑
作付面積(ヘクタール)収穫量(トン)出荷量(トン)
嬬恋村 2770 174100 161200
千葉県銚子市 1880 75600 70200
愛知県豊橋市 1660 77800 69900
愛知県渥美町(現・田原市) 1540 78300 72000
2003年のキャベツ生産状況・政府統計の総合窓口統計より

嬬恋村は、キャベツの産地として知られます。

キャベツの作付面積・収穫量・出荷量すべてにおいて日本一を誇っています。

嬬恋村を「キャベツの生産が盛んなところ」として知っている方も多いでしょう。

村内では、至るところで雄大なキャベツ畑があります。夏場は、トラクターが道路を走っているのを良く見かけます。

またキャベツをはじめとした高原野菜の直売所がいくつもあります。

キャベツは、出荷時期により「冬キャベツ」「春キャベツ」「夏秋キャベツ」に分けられますが、嬬恋村は冷涼な気候を生かした夏秋キャベツの産地です。嬬恋村は、全てのキャベツの中で日本一を誇ります。

避暑地

嬬恋村では、農業のほか観光業が盛んです。

冷涼な気候の避暑地として高い人気を誇っています。夏にかけて訪れる観光客が増えますが、特にゴールデンウイークやお盆休みの時期には一段と賑わいます。

都会に住む方が観光で訪れるような涼しくて良い街なのです。

村民には、サービス業に従事している方がたくさんいます。一般の方が休む土日・祝祭日に忙しくなる方の割合が高い地域です。

嬬恋村や軽井沢周辺のホテルなど宿泊施設を別ページで紹介をしています。⇒嬬恋村・軽井沢町周辺の宿泊施設

温泉

夏の万座温泉
夏の万座温泉

嬬恋村は、浅間山の北麓に広がる街。

浅間山は活火山で、現在も活動を続けています。

火山の影響もあり嬬恋村には、たくさんの温泉があります。

広く知られているのは「万座温泉(まんざ)」「鹿沢温泉(かざわ)」ですが、その他にも10か所以上の温泉施設があります。

ウィンタースポーツ

万座温泉スキー場
万座温泉スキー場

嬬恋村は、豪雪地帯に指定されており、12月~4月を目安に雪が降り積もります。

村内には、5か所程度のスキー場があり、スキーやスノボなどウィンタースポーツを目的として訪れる方も多くいます。

万座温泉や鹿沢温泉では、スキー場と温泉が隣接しており、冬にはセットの観光地になっています。

夏場ほど村全体が賑やかになることはありませんが、年間を通して観光客が訪れる場所です。

山に囲まれた地形

嬬恋村の外周は、東部を除いて山々に囲まれています。

南の浅間山が良く知られていますが、その他にも南西に湯の丸高原・西に吾妻山(四阿山)・北の白根山など標高2000メートル級の山々が連なり、周辺の分水嶺の役割を果たしています。

日本百名山に選ばれた山々に抱かれ、雄大な景色を望むことができます。

また登山目的に訪れる方も少なくありません。

浅間山の噴火と巨石

嬬恋村・溶岩流の巨石
ホテルグリーンプラザ軽井沢近くの巨石

浅間山は活発な活火山で、現在も活動を続けています。

浅間山は「活動度ランクA」
気象庁は、日本国内の活火山を活動度に応じてランク分けしています。
最も活発とされる活火山ランクはA評価されますが、浅間山はAに分類されています。
参照:気象庁・活火山の活動度による分類

※ファイルにも記載がありますが、あくまでも活動度であり危険性を示しているものではありません。ランクAだからといって直ちに危険ということではありません。

歴史上では、幾度か大噴火を起こしたことが記録されていますが、中でも大きなものとして平安時代の天仁元年(1108年)と、江戸時代1783年(天明3年)の天明大噴火が挙げられます。

村内では、当時の溶岩流が冷えて固まった大きな岩を各所で見ることができます。

車での移動が必須

嬬恋村に住むのであれば車移動が必須でしょう。

夏だけの滞在であれば自転車やバイクでの移動も快適ですが、冬場は道路が凍るのでお勧めできません。

バスの移動はできますが、移動範囲が限られてしまいます。

路面凍結対策

道路が凍る嬬恋村
凍結対策が必須

冬には、気温が氷点下になり道路が凍ります。スタッドレスタイヤの装備が必須、ノーマルタイヤでの走行は絶対にやめましょう。

また坂道が多いので、スリップしにくく空回りの可能性が低い4WD車に乗る方が多いと思います。

車高(最低地上高)が高いSUV車であればより良いですが、必須条件ではありません。

嬬恋村で生まれ育った方でも、幾度も危険な目に遭っているそうです。雪道での運転に慣れていない方は、特に注意が必要です。

車のメンテナンス

寒冷地では、バッテリーの放電力が弱まりエンジンがかかりにくくなることがあります。

またエンジンオイルが固くなるなど、寒い地域ならではの注意が必要です。

バッテリーが古くなっていないかなどのチェックや、1~2週間に一度を目安に、定期的に車を動かすことも大切です。

バス

嬬恋村から軽井沢駅までは、西武観光バスの草津・軽井沢線が定期運行しています。

ただし本数は、一日2~3便程度で限られています。参照(外部サイト):西武観光バスHP

万座・鹿沢口駅などに停留所があり軽井沢駅までは、60分程度です。軽井沢駅は、新幹線が通っているので観光で訪れるには車が無くても良いかもしれません。

南の軽井沢へはバスが運行しています。東の中之条町や渋川市、高崎市に行くには電車があります。西の上田市に行くためには、電車やバスはないので車しかありません。

商店街

嬬恋村では、国道144号線沿いを中心にコンビニやスーパー、飲食店などのお店があります。

万座・鹿沢口駅周辺には、その他のお店や施設もありますが、都会でいうところの商店街と呼べるほどではありません。

ショッピングモールのようにお店が立ち並び散策するような場所は、ないかと思います。

また隣接する長野原町の国道146号線や中軽井沢付近にもお店があります。

飲食店

数としては少ないですが、美味しくてお勧めできるお店はいくつかあります。

一般的な値段の店から高級店までありますが、安い料金で外食するのは難しいかもしれません。

またマクドナルドなどのファーストフード店や松屋・すき家、スターバックスなどのチェーン店はありません。

街自体が別荘地住まいなど、それなりの収入がある方向けになっています。

嬬恋村や軽井沢町の飲食店は、別ページでお店を紹介していますのであわせてご覧ください。⇒嬬恋村・軽井沢町周辺の飲食店

駅・電車の移動

嬬恋村を通る鉄道は、JR吾妻線のみ。

運行本数は、限られています。参照:JR吾妻線・時刻表

駅は袋倉駅・万座・鹿沢口駅・終点の大前駅の3つです。電車は、東の渋川市や高崎市方面のみです。南の軽井沢や西の上田市には、電車が通っていません。

この3駅ともに、無人駅です。一日に数十人程度が使用するのみと推測されますが、無人駅でカウントされていないので、正確な数値は不明です。

万座・鹿沢口駅は、バスの発着もあり観光客などが利用する駅として機能しています。周辺には観光案内などもあり、一日に200人程度が利用していると推測されます。

大前駅と袋倉駅周辺には、施設のようなものはありません。

万座・鹿沢口駅には、タクシー乗り場がありますが、大前駅と袋倉駅にはありません。

大前駅から渋川駅までが約90分、高崎駅までは2時間程度かかります。本数も少ないので、とても利便性が良いとは言えないでしょう。

電車を利用するのは、観光客がメインで一部沿線に通学する学生が利用している程度と推測されます。

コンビニ・スーパー

嬬恋村内には、国道144号線沿いにコンビニが数軒あります。隣接する長野原町の国道146号線沿いにもコンビニがあります。

またスーパーマーケットも同じく国道144号線沿いに数店舗あります。

食材や日用品などを購入するにあたり、車があれば大きな不便はないといえるでしょう。ただ都会のように歩いて行ける距離ではありません。

買い物する街

嬬恋村内には、家電量販店や洋服・靴などを見て回る大型のお店はありません。

日用品を揃えるのは、村内で完結できますが、本格的な買い物をするには村外に出なければなりません。

嬬恋村から近い「街」としては、大きく3方向です。

嬬恋村周辺の都市
  • 【西】上田市の駅前まで、鳥居峠を越えて車で約60分。上田市は、長野県第三の都市ですので、様々なお店があります。
  • 【南】軽井沢町の中心部まで同じく60分程度です。軽井沢駅近くにも大型ショッピングモールなどの施設がありますが、富裕層や観光客向けになっているかと思います。
  • 【東】中之条町には色々なお店があります。さらに車を走らせて渋川市や高崎市・前橋市まで行けば繁華街です。中之条町までは約60分、高崎市辺りまでは90分程度かかります。

出前

嬬恋村では、出前を届けてくれる飲食店は、いくつかあります。

ただ村内は、坂道が多く移動に不便。さらに別荘地は、道が複雑なことが多い上に冬は移動に注意が必要です。

出前を頼めるお店であっても、対応できるエリアはかなり限られるかと思います。

都会のようにUberEATS(ウーバーイーツ)や出前館で好きなものを選り好みできる環境ではありません。ピザのチェーン店もありません。

ネットスーパー

ネットスーパーは、いくつかのサービスが対応しています。

JAの食材宅配やパルシステムは、恐らく広範囲で対応できるかと思います。全域かどうかはわかりかねますので、問い合わせてみましょう。

当然ながら、宅急便はヤマト運輸・佐川急便・郵便局どれも対応していますので、アマゾンや楽天などネットショップで買い物する方も多いでしょう。

熊などの動物

緑豊かな嬬恋村では、野生動物が生息しています。

多いのは鹿ですが、その他にも猿や猪、アライグマ(狸?)も見たことがあります。

気になるのは熊ですが、私は一度目撃したことがあります。場所や時期にもよると思いますが、散歩する際には熊に注意した方が良いでしょう。

画像が見づらいかもしれませんが、左からイノシシ・クマ・シカです。実際に目撃した際に撮影した画像です。やはり野生の熊や猪に出会うと驚きます。

熊が人を襲うなどの人的被害が、嬬恋村だけ特別に多いわけではありません。参照:嬬恋村役場「クマ・サル群の出没情報について」

別荘地への移住

嬬恋村は、別荘地としても人気です。

村内には、大小いくつもの別荘地があります。主に国道144号線以南の浅間高原エリアに別荘地が集中しています。

別荘の購入を考えてこのページをご覧になっている方も多いかと思います。

嬬恋村の別荘や不動産会社について、別ページで仲介会社の紹介をしています。別荘購入を検討している方は、あわせてご覧ください。⇒嬬恋村の別荘・不動産会社の紹介

夏だけ避暑地として利用

嬬恋村は、夏は涼しく冬はとても寒いので、夏に避暑地として利用する方が大半です。

冬は、とても快適とは言えない環境です。

夏を嬬恋村で過ごすのであれば、気温や積雪を気にする必要はなく、涼しく快適に過ごせるでしょう。

特に別荘地であれば一軒一軒のお宅が離れており、豊かな自然に囲まれた空間を楽しむことができます。個人的に嬬恋村で過ごす夏は、とてもお勧めです。

冬に備えた準備が必要

夏にしか滞在しないとしても、冬に備えた準備は必要です。

都会と同じように考えてしまうと、後々大変な出費に繋がりかねません。

まず水道管の「水抜き」は必須作業です。

水道管の破裂
水道管の中に水が残ったまま冬を迎えてしまうと、水が凍り膨張して管が破裂してしまいます。寒い嬬恋村では、屋外だけでなく、宅内の水道設備も凍結による故障の恐れがあります。

またベランダなどに屋根が無い(または浅い)場合には、積雪や雨により腐食してしまう恐れがあります。積雪による「シミ」などの心配もあるので、確実に防ぎたければビニールシートで覆っているお宅もあります。

例え寒冷地仕様の住宅であっても、毎日生活していなければ冬場は室内が外気温と同程度まで下がるので、対策しなければなりません。

お宅により必要な対策は異なりますが、別荘地であれば管理会社がアドバイスしてくれるはずです。また近所にお住まいの方や地元の大工さんなどに相談するのも良いでしょう。

定住する予定の方

別荘地に定住している方も少なからずいらっしゃいます。

ただ嬬恋村は寒さが厳しいので、別荘に定住している方は少数派です。

ある程度、寒さに耐性がなければ冬を過ごすのは厳しいかもしれません。

私も「東京より少し寒いくらいだろう」というイメージで引越したのですが、全くの見当違いでした。元々寒い地域出身の方は、想定の範囲内かもしれませんが、そうではない方は注意が必要でしょう。

注意すべきなのは、「気温」と「雪」なのですが、具体的な内容は他の項目に記載している通りです。

通学

別荘に定住している方は、基本的に年齢層が高めです。

嬬恋村内にある別荘地から、幼稚園や小学校・中学校に通うのは難しいでしょう。急な坂道が多いので歩くのはまず無理、自転車も夏は良いですが冬は無謀です。

村内には、国道144号線沿いに幼稚園と小中学校・高校がそれぞれあります。

送り迎えが必要になるので、別荘地に定住している方で小さい子供がいる家庭は、ほとんどないかと思います。

中古別荘を購入する

中古別荘の購入を考えている方は、記載した内容を加味した上で判断することをお勧めいたします。

私は中古別荘を購入して後悔していませんが、中には「暖かい地域の方が良かった」と考えている方がいるかもしれません。

  • ガラス窓を二重にした
  • 灯油ストーブを新たに導入した
  • 風呂場の水道レバーが凍結で壊れた
  • スタッドレスタイヤの購入とタイヤの履き替え
  • 数週間乗っていなかったら車のバッテリーが上がった
  • 服・ブーツや雪かきグッズなど、諸々の寒さ対応品の購入

私の場合には、このような内容で数十万円は使いました。

それぞれの建物で必要な対策は違うので、不動産会社や別荘の管理会社などに確認しましょう。地元出身の不動産会社の方は、寒さ対策が当たり前だと思っていて、尋ねなければ教えてくれないかもしれません。

軽井沢との違い

嬬恋村は群馬県吾妻郡に属していますが、南に長野県北佐久郡軽井沢町と隣接しています。

嬬恋村は「知っている人もいる」程度ですが、軽井沢は全国的な知名度があります。嬬恋村内でも「軽井沢」の名を冠した施設がいくつかあります。

また東に隣接する長野原町にも「北軽井沢」の地名があります。

広く捉えれば嬬恋村も軽井沢の一部なのかもしれませんが、別の自治体です。私も軽井沢で物件を探す過程で嬬恋村のことを知りました。

軽井沢の方が土地・物価が高い

軽井沢は、避暑地・高級別荘地として誰もが知っている地名です。

いわゆるネームバリューがあり人気が高いので、土地や建物の相場が高く設定されています。

軽井沢の物件は高い
嬬恋村では、安ければ1000万円以下で別荘を購入できますが、軽井沢ではそうはいかないでしょう。別荘の管理費も軽井沢の方が高いはずです。

物件価格もそうなのですが、その他の物に関しても軽井沢は、基本的に富裕層や観光客用の料金設定です。

私は軽井沢周辺のお店を利用したことがありませんが、色々な物の相場が高いそうです。

軽井沢より涼しい

軽井沢駅付近は、標高1000メートル程度です。嬬恋村は、より高い場所にある別荘地が多いでしょう。

軽井沢よりも嬬恋村の方が涼しいです。そして冬は軽井沢よりも寒く、雪もたくさん降り積もります。

施設が充実していない

軽井沢駅には、北陸新幹線が通っており東京駅まで90分程度。高い知名度と利便性も相まって、国内外から多くの観光客が訪れます。

それに伴い駅周辺には「軽井沢・プリンスショッピングプラザ」などのアウトレットショップや大小様々なお店・施設が充実しています。

一方で嬬恋村には、街を楽しむような商店街はありません。

交通の利便性や買い物などは、軽井沢の方が圧倒的に便利といえます。

嬬恋村の良いところ・メリット

嬬恋村の自然風景
嬬恋村田代・鉄塔と大自然

ここまで色々と書きましたが、改めて嬬恋村の良い部分と悪い部分に分けて記載したいと思います。

完全に個人的な感想ですので、あらかじめご承知おきください。

夏は涼しい

嬬恋村の一番の良いところは、涼しいことだと思います。

嬬恋村は涼しい
真夏でも最高気温は30℃を超える程度。暑いとは感じるものの、都会の蒸し暑さと比べると全く違います。また木々が多いので気持ちとしても涼しく、体感温度も低いです。

暑いのが苦手な方には、とても過ごしやすいでしょう。

夏にカーテンと窓を開けて、豊かな緑と自然の風を楽しみながら過ごす空間は、都会では味わうことができません。引越して良かったと感じる瞬間です。

エアコン・冷房

嬬恋村では、エアコンが設置されていない住宅も多いと思います。

お宅によりますが、扇風機(サーキュレーター)やファンだけで快適に過ごすことができます。また窓を開けていれば、心地よい風が流れていきます。

特に標高が高めであったり、日陰にある家では、冷房はいらないかもしれません。

ただ太陽光パネルを設置しているお宅などでは、「エアコンが無いと暑い」という方もいらっしゃいます。

空気がおいしい・星がきれい

嬬恋村は、標高1000メートル程の高地にあります。

別荘でなくてもそうなのですが、特に別荘地内は豊かな緑に囲まれています。もちろん海には面していません。海よりも山の方が好きな方にとっては良い場所でしょう。

緑が多い場所にいると、それだけで癒し・ヒーリング効果が得られます。恐らくどの別荘地でも穏やかな方が多いかと思います。

また車の数が少ないので空気がきれいです。普段住んでいると慣れてしまいますが、数日間都会に滞在した後に嬬恋村に戻ってくると、空気のおいしさを感じます。

晴れた日には、きれいな夜空が見えます。特に開けた場所では、満天の星空を眺められるでしょう。

ビュースポット

嬬恋村は、開けた場所であれば美しい眺望があります。

つまごいパノラマライン
中でも特に知られているのは「つまごいパノラマライン」と呼ばれる村道です。沿道からは浅間山を間近に望むほか、夏には一面のキャベツ畑がとてもきれいです。

その他にも、プリンスランド内にある遊園地・軽井沢おもちゃ王国の観覧車も嬬恋の自然を眺望できるスポットです。

ドライブ・サイクリング

自然の中でドライブするのが好きな方は、上記した嬬恋パノラマラインなどがお勧めです。

また嬬恋村と軽井沢町を結ぶ鬼押ハイウェーからも浅間山を間近に望むことができます。ただし自動車専用道路なので、自転車では通れません。

ドライブだけでなく、自転車が好きな方はサイクリングに最適です。ただサイクリングを楽しめるのは、夏周辺のみで春秋には寒さ対策が必要です。冬は路面が凍るので自転車で走るのは不可能でしょう。

冬でなくても3月や4月・11月は、気温が低く残雪があるので、自転車で走るのは難しいかもしれません。

人が少なく静か

個人的に東京の暑さと人が多いことが嫌で嬬恋村に引越しました。

東京に住んでいた時には、窓を開けると車の騒音や定期的に緊急車両の音が聞こえるので、「窓を開けよう」とは考えませんでした。

嬬恋村民は、9千人に至っておらず、観光場所以外では人込みとは無縁です。別荘地内であれば車の往来も少ないかと思います。

窓を開けると聞こえるのは鳥や虫の声と風が吹く音、静かに過ごせる場所が多いでしょう。

嬬恋村の不便なところ・デメリット

冬のキャベツ畑
冬のキャベツ畑

嬬恋村には、不便と感じる部分もあります。

特に寒冷地の生活がはじめてする方、慣れていない方は注意が必要です。

冬の寒さ

夏は涼しいのが魅力ですが、寒くなり始めるのも非常に早いです。

嬬恋村の寒さ
9月・10月あたりから夜は暖房を使いはじめるお宅が多いでしょう。真冬には、最高気温が0℃を越えず、最低気温は-10から-15℃程度になる日もあります。

3月下旬頃から徐々に暖かくなりますが、夜には気温が下がります。私は、6月まで夜にはストーブを使っています。北海道の札幌市と同程度の寒さのようです。

家の中の物が凍る

真冬は、最高気温が0℃前後の日が多いため、宅内にある物が凍ってしまいます。

寒さ対策が必須
建物の形状によると思いますが、私の家では保管している飲み物やキッチンの洗剤やスポンジ、風呂場のシャンプーなども凍ってしまいます。
それだけなら良いのですが、宅内の水道設備や洗濯機の排水ホース・ウォシュレットなどが凍る心配があります。朝起きて蛇口をひねっても水(お湯)が出ない日もあります。

水道のハンドル(レバー)部分が凍結している状態で無理に動かすと壊れてしまいます。そうなると交換するしかありませんので、数万円の出費となってしまいます。

定住する方は、十分な凍結対策が必要です。

暖房・光熱費

夏の光熱費は、扇風機のみであれば安く収まります。

一方、夏以外の季節では、早い時期からストーブを多用するので光熱費がかさむでしょう。

嬬恋村では、薪ストーブ(暖炉)のお宅が多くあります。薪ストーブは強力で、家中を暖かくしてくれます。便利な一方で通常の暖房よりも費用がかかります。

どんな薪を購入するのか、家の広さなどにもよりますが、月間で数万円は必要になるでしょう。また定期的に煙突の掃除などメンテナンスも必要です。

水道管の破裂防止など

屋内の寒さに備えるのはもちろんですが、屋外の対策も必要です。

気温が氷点下になる時期には、水道管が凍結して破裂する恐れが高まるので、対策が必要です。

水道管のヒーター
多くのお宅では、水道管に電熱式のヒーターを巻き付けて温めています。単に保温テープを巻くだけでは、凍ってしまう可能性が高いでしょう。
真冬には、最高気温が0℃を越えない日もあるので、一日中ヒーターの電源を入れておかなければなりません。

電気代だけでも数万円かかるかもしれません。気温が氷点下になるのは、目安として11月から4月頃までです。

それ以外にも嬬恋村で定住するには、寒さ対策が必須です。

寒い地域での生活がはじめての方や寒さが苦手な方は、戸惑うかもしれません。

嬬恋村の上水道・下水道については、別ページで解説しています。⇒嬬恋村の上下水道と工事業者

冬の嬬恋村

嬬恋村では、12月頃から雪が降り始めます。(早ければ11月)

浅間山の初冠雪は、10月下旬から11月にかけてです。

本格的な降雪は1月から3月にかけての期間で、3月下旬から4月にようやく溶けはじめます。雪が完全に無くなるのは、4月中旬から下旬頃かと思います。

嬬恋村は、豪雪地帯に指定されており、優に数十㎝は積もります。

お住まいの形状によりますが、雪かきをしなければ出入りが難しいでしょう。駐車場周辺も同様です。

道路が凍るので外を歩く際には、ブーツ着用などのすべり止め対策は必須。村内は坂道が多いので、散歩する際などは転倒に注意しなければなりません。

「嬬恋」の由来

嬬恋村が誕生したのは、明治22年の市町村制が施行された際です。

村名の「嬬恋」は、神話時代の皇子「日本武尊(やまとたけるのみこと)」の故事に由来しています。

第12代景行天皇の皇子である日本武尊が東征の際、相模から上総へ渡る途中、暴風に巻き込まれて船が漂流してしまいます。

海神の怒りと考えた日本武尊の愛妻「弟橘姫(おとたちばなひめ)(弟橘比売命とも)」は、怒りを鎮めるため、皇子の身代わりとなって海に身を投じました。すると暴風は止み、一行は無事に上総へ渡ることができたのです。

蝦夷を平定し東征を終えた帰路、碓日坂(今の鳥居峠、国道144号線沿い・嬬恋村と上田市の境)でのこと。弟橘媛を忘れられない日本武尊は、「吾嬬者耶(あづまはや)」(ああ、わが妻よ、恋しい)と嘆いたといいます。

※故事の内容については、古事記と日本書紀で諸説あります。

この故事にちなんで嬬恋村と名づけられました。

ちなみに嬬恋村が属する「吾妻郡(あがつまぐん)」の名も、この故事に由来しています。また東日本を「あずま」と呼ぶのは、この故事が由来という説もあります。

愛妻の聖地

嬬恋村の名が「妻を愛すること」に由来していることから、村内で結婚式を挙げる方や記念日などに訪れる方も多くいらっしゃいます。

村内には、愛妻の丘や愛妻の鐘など「愛妻」にちなんだスポットがいくつかあります。

嬬恋村への移住「まとめ」

以上、実体験を基に嬬恋村での暮らしについて記載しました。

環境によっては、上述した内容が当てはまらないお宅があるかもしれません。また記載内容には、「私の家の場合」や主観を大きく含んでいますので、一つの参考として認識していただければ幸いです。

2020年頃から新型コロナウィルスが流行し、在宅勤務する方が増えました。田舎で暮らしながら働くことも不可能ではなくなったことで、移住者は増える傾向にあります。

また定年を迎えた方など、セカンドライフの場所として嬬恋村を選ぶ方も多いでしょう。

嬬恋村で暮らすことは不便な面もありますが、魅力もたくさんあります。

移住地の候補として、ぜひ嬬恋村を検討されてみてください。

土勢育孝

どせ やすたか

株式会社new create 代表取締役

この記事を書いている人

この記事は、私が執筆しました。
2021年に東京都から嬬恋村に会社ごと移転しました。

嬬恋村大前のプリンスランドに住んでいます。現在のところ、定住しています。
嬬恋村の活性化と当社の宣伝も兼ねてこの記事を書きました。

記事執筆者

嬬恋村在住者アンケート

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掲載企業・店舗様募集

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情報を掲載するにあたり費用は一切かかりません。無料で御社の情報を紹介させていただきます。

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