矢崎エナジーシステム LPガスメーター
矢崎エナジーシステムHP:https://gas.yazaki-group.com/products/lp/lpg/

矢崎エナジーシステムは11月15日、東京支店で記者懇談会を開き、寺澤執行役員ガス機器事業部長らが、集中監視システム向けの低消費電力広域無線通信(LPWA)システムの販売方針を説明しました。

現在90万台の累計販売数を来年6月までに110万台に伸ばす見通しを示しました。現状、同システムの通信事業者は、ソフトバンク1社のみですが、今後KDDI、NTTドコモを加え、カバーエリアを拡大する考え。

集中監視システムは、需要家のメーターに搭載した通信機器で残量を監視し、遠隔で検針できるというシステムを指します。LPガス業界では、およそ30年前から普及が進んでいます。

ただ、当初は通信手段に固定電話回線を使用していたため、固定電話を所有していない需要家宅に導入することができませんでした。新たな通信手段に対応するためのシステムへの更新が必要になり、近年ではインターネット回線を使用するシステムが主流になっています。

全国LPガス協会の調査では、全国のLPガス需要家の集中監視システム設置件数は、618万247件(2022年3月末)で設置率は31.61%とされています。

矢崎エナジーシステムは、2019年5月に、LPWAの一つであるLTEカテゴリーM1の通信方式を採用した無線機と、それを組み込んだLPガスメーターを発売。これらを用いた自動検針・集中監視サービスも展開しています。

900メガヘルツと2.1ギガヘルツの二つの周波数に対応することで、電波環境に適した周波数を自動選択して広い通信エリアを確保できる仕組み。

現在、矢崎エナジーシステムのLPWA通信は、ソフトバンクのLTE開栓を活用しています。ただ設置場所によっては、ソフトバンクではカバーできないエリアもあるため、他の通信会社を選択して利用できる仕組みを開発中です。

一方で都市ガスの集中監視システム設置率は、5%程度とされています。矢崎エナジーシステムは今後、都市ガス事業者へのLPWA無線システムの販売も進める方針。

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